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Channel: 屋根裏部屋のグダグダ文化論
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LIVE REPORT:DYNAGON 30周年記念ツアー in 京都

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最近、週末近くなると疲れがピークを迎えるので、ライブの申し込みも(早めのチケット獲得が必要なメジャーどころ以外)その辺の体調を鑑みながらギリギリになってしまう。今回も実は早くからお誘いがあったのだが、実際に取り置きをお願いしたのは前の晩。というわけで、当日はこれまたギリギリに京都に到着、会場の都雅都雅に入ったのであった。
既にお客さんも結構入っていたが、どうにかこうにか前の方の席を確保、時間通りに開演となった。

MOTLEY GIRLS?

名前の通り、女性ばかり?によるモトリー・クルーのカバーバンド。本家はギター1人なのに、こちらはギター2人。私は長いことLAメタル全般に抵抗があって、モトリーも聴けるようになったのがここ数年だから、ほぼ知らないも同然。でも、そんな私でも耳に覚えのある曲を多めにやってくれた。
歌も演奏もしっかりしてる、というか、本家自体がそんなに難しいことはやってないので、実力派のそろったこのメンバーならお茶の子さいさいだったろう。
ちなみに、ドラムがやたらパワフルで「凄い女がいたもんだ」と思ったら、次に出演するバンドのドラマーさんの女装した姿だった(笑)。JUDAS PRINCESSの仙人様かよっ!

TRIBAL SOUL

2番手は早々と、金谷さん率いるこのバンドだが、私が見るのは結構久しぶりじゃないか?金谷さんといえばEBONY EYES FINAL FIGHT PROJECTに(その豪華メンバーと壮絶なパフォーマンスゆえ)気を惹かれるところだが、実はこちらも場所や日程の関係で足を運ぶ機会は少なめながらも、FFPとはまた違う「自然体の金谷幸久」が味わえるということで気になる存在なのだ。
先日から、ネット上で「ブルージーなハード・ロックなので、様式美を求めるとがっかりする」というおバカな発言が物議を醸したが、今回じっくり拝見して、それが的外れも甚だしいことが改めて確認出来た。分厚い音と壮絶な演奏・歌で圧倒するFFPと対照的に隙間の多い音だからそう感じるのかもしれないが、一時期古い黒人ブルースにはまり、西野やすしさんのライブに通った時期もある私からすれば、ブルースの色はまるで感じられないんだが?金谷さんご自身も「ブルースは通ってない」とおっしゃってるし。
それに、金谷さんが様式美だけの人じゃなくていろいろな引き出しを持ってることは、ライブに何回も行っていればわかることだし、音源だけ聴いてても十分わかるはずだ。恐らく例の発言の主は、金谷さんといえば昔のEBONY EYESくらいしかまともに聴かず、ライブもレインボーのカバーくらいしか見たことがないんじゃないかと思う。TRIBAL SOULはハード・ロックですらない、そう…「ハード」「プログレッシブ」「パンク」といった修飾語が必要ない、シンプルに「ロック」と呼ぶのがふさわしい音楽なのだ。ジャパニーズ・メタルとは根本的に違い、むしろ(やってることは全く違うながらも)エレカシあたりにも通じる「王道ど真ん中のロック」そのものだと思う。演奏はこちらの方が断然上手いけど(笑)。歌はあちらの宮本氏も凄いので、互角と言わせて頂くが。
音に隙間が多い分、リズム隊の働きが問われるところだが、横谷さんのベースも森本さんのドラムもガッチリ底辺を支えているし、更には濱さんの歌唱の凄さも改めて実感された。パープルやレインボーのカバーをやるとなれば呼ばれることの多い濱さんだけど、豊かな声量と表現力はこちらの方がはっきりわかるように思う。元々の力量が高いメンバーがそろってる上に、その実力が更に高いレベルで発揮されている、これは金谷さんが各メンバーの持てる力を最大限に引き出しているからに違いない。
そして金谷さんご本人だが、「自然体」と表現した通り、FFPの時よりはリラックスした感じが伺える(と言っても緩いわけではない)。だが、実は曲によっていろんな表情を見せ、時に激しく時に優しく奏でられる音は、FFPの時とかなり違いながらも、実は表裏一体というか、この人の引き出しの多さを感じさせてくれる。

…気が付いたら結構な字数を費やしている。的外れな発言に対して「そうじゃないだろう」と言いたい気持ちが私の心に火をつけたからだと思うが、それだけ魅力のあるバンドだと思ってほしい。それこそEBONY EYESの金谷さんしか知らない人にも、「金谷さんが今やりたいこと」を知る上で是非とも体感してほしい、そう思うのだ。

ALL IMAGES BLAZING

今回のイベントの主催で、いろんなところに引っ張りだこの名キーボーディスト・片岡祥典さん率いるバンドだが、こちらは変拍子の多い、いわば「プログレ」なんだけど、この言葉も定義が曖昧だなあ…まあ、ドリーム・シアターに近い演奏に女性ヴォーカルが乗った感じか?と言えばALHAMBRAあたりを想像する人も多かろうが、あちらほど強烈なハイトーンではない、もっとソフトな歌声が特徴。これまたあちこちで弾いてる脇本さんのベースも、元来はプログレが好きということもあってか、こちらでの演奏が一番しっくりはまってる気がする。

DYNAGON

そしていよいよ大トリ。名古屋からのこのバンドは、タイトルの通りに結成30年のベテランで、ギターの中野さんとオルガンの加藤さんが還暦ということもあり、見た目からまずは風格が漂うが、出てきた音は更に強烈な印象を与えるものだった。
強引な表現をすれば、第1期パープルのインスト曲を第2期パープルが演奏したものをイメージすれば近いか?でもそれだけではなく、ベースやドラムの見せ場があったり、曲に起承転結もあるし、更には各曲にテーマがあって聴く者の想像力を掻き立てる…これまた他に例のない個性的なものなのだ。
基本はハード・ロックでありながらプログレでもあり、でもその表現から想像される昨今の小綺麗なものではなく、もっと荒々しい。ついでに音もデカい(笑)。ギターはSGとフライングVをメイン機材として自由奔放に弾いてる感じだし、オルガンは重厚そのもの。ソロもバッキングもその重厚さが非常に心地良く感じられるのは、私がこういう古いタイプの音楽が好きなこともあるが、やはりキャリアゆえにツボを心得た演奏をしているからだろう。
かなりの爆音ながらそれがまた快感で、約1時間の別世界への旅は終了した。

…私が大阪市内でよく行くライブハウスでは5~6バンド出演で各バンド30分程度の持ち時間ということが普通で、常々それに不満を漏らしている私としては、4バンドで持ち時間ももっと長めというのがまず良かったし、組み合わせも非常に濃くてそれもまた良かった。あまりの充実ぶりに疲れが出て、帰りの電車の中で爆睡してしまったくらいだし(笑)。
それにしても、名古屋にもまだまだ私の知らない凄い人たちがいるんだね~。名古屋だけじゃなくていろんな地方に目ぼしいバンドが存在してるのを目にすると、日本は狭いようで広いというのを痛感する。

ちゅうことで、今日はこの辺で終わります。ええか?ええか?ええな、よし!

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