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Channel: 屋根裏部屋のグダグダ文化論
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今、KISS 「CRAZY NIGHTS」を再評価するの話

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本作が発表されたのは私が大学生の頃だったんだけど、よく聴いたなあ~。今も好きなアルバムです。

しかし、評論家筋にはなぜかウケが悪いんだよなあ~。
やれ「産業ロック」だの「魂を売った」だの「KISSのロックじゃない」だの…

そりゃ私だって70年代のメイクしてたオリジナル・メンバーの頃のが好きですよ。でも、そう言って斬り捨てちゃっていいの?

当時は同じ年に出たホワイトスネイクの「WHITESNAKE(SERPENS ALBUS)」が大ヒットし、ボン・ジョヴィやエアロスミスも同じくヒットを飛ばしていて、ハード・ロック/へヴィ・メタル自体が大きな商売になる時代でした。
そんな時代だったから、こういう音になるのは自然じゃないの?
ボンとエアロはどちらもデズモンド・チャイルドを共作者として迎えてて(ついでにKISSの本作も)、あの人はポップな曲作りに強いから、それをして彼らも同じようなことを言われてるけど、音のハードさは失ってないし、そもそもデズモンドと共作したのはKISSが最初じゃない?随分前の話になるけどさ…

プロデュースもMSG(というかコージー・パウエル?)のファンにはすこぶる評判の悪いロン・ネヴィソンで、シンセの大幅な導入もいろいろ言われてるけど、あくまでギターがメインの音になってて薄っぺらな感じはしないし、時代時代で流行を取り入れながらも「らしさ」を失わないのがKISSなんですよ。「DYNASTY」ではディスコのリズムを取り入れ、「UNMASKED」は全体的にポップ、90年代にはグランジにまで手を出したけど(確かに「CARNIVAL OF SOULS」はイマイチだけど)、一見節操がなさそうでもしっかり「KISSの音」になってる、それが彼らの強みなんです。
そう考えたら、ももクロとのコラボも意外ではない?私はそれだけは受け入れられないけど(苦笑)。

そもそもこういうポップさって、KISSが元々持ち合わせてたものじゃない?外部ライターの導入は早い時期からやってるけど、それ以前から特にポールがいろんなタイプの曲を作ってきてるし、だからこのくらいは全く許容範囲。
それに11曲中4曲しか提供してないジーンの曲がハードな部分を一手に引き受けてるから、それでいいバランスになってんじゃないっすか?

今じゃ本作からの曲がライブで披露されることもないと思うけど、このまま埋もれさすにはもったいない、いやこの時代を乗り切ったからこそ今またメイク復活して長く続けてる礎になった作品として、今一度評価したいと思います。

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