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Channel: 屋根裏部屋のグダグダ文化論
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LIVE REPORT:LOUDSTORMワンマン「メタルボンバイエ」@和歌山club GATE

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今年一発目のライブがまさか和歌山まで足を延ばすことになるとは思わなかったけど(いやチケットを購入した時点で大方そうなることは予測していたが)、実に楽しく、素晴らしいライブだった。

朝の通院を終えて一旦部屋に戻り、買い溜めたCDのノルマ(笑)を消化しながら適当な時間に出発したんだが、南海特急のサザンの指定席ってガラガラ…もとい、ゆったり出来て快適やね。そして現地に到着、生来の方向音痴ゆえ散々迷子になった末にようやく会場に到着した時にはかなりのお客さんが開場待ちしていた。今や大阪でもかなりの集客が出来ているけど、やはり地元での人気は大したものなんだね。

そして開場時間になって中に入れたが、私は行けなかった前回同様、客席フロアの周囲にはプロレスのリングを模したセットが。そう、あの時は西九条でAPHRODITEやらMUTHAS PRIDEやら、音楽性が私の好みにドンピシャであり敬愛する人たちのバンドを組み合わせたライブがあってそっちに行ってたんだが、そっちも多くの人が来てたにも関わらずこちらにも関西各地から多くの来客があり、非常に盛り上がった様子はFBでの写真やら行った人たちの発言で伝わってきた。だから悔しい思いをしたこともあり、今回は何としても行く!と決めて念願叶ったという感じ。

それにしても始まる時間が遅いのは遠方から来てる身としては辛いなあ…せめてもう30分早かったらとは思うが、それはまた事情というものがあるんだろう。

さて、予定時間を少し回って開演となったが、全日本プロレスのテーマ曲が流れる中で「ヘヴィ・メタル級選手権、時間無制限一本勝負」というアナウンス、そして覆面を被ってメンバーが続々登場し、ステージに上がる。この演出は大阪某所で既に見ているが、3人揃ったところで「赤コーナー」として各メンバーの紹介、「青コーナーはお客さん」と、ほんま徹底してるな~。そしてメンバーが覆面を脱ぎ捨て、それぞれのポジションに就いていよいよ始まった。

「METAL HURRICANE」とか「SCREAMING FROM HELL」とか「METAL NEVER DIE」…曲名からして前時代的な雰囲気がプンプンだが、グランジやらモダン・ヘヴィネスやらが流行って王道のメタルが廃れた時代を乗り越え、再びこういうサウンド…純度の高いメタルが再興して長くなった今はまたそれが新鮮に感じられる。
ギター兼ヴォーカルという美味しいポジションを一人で担当するMATSさんの、およそそれに似つかわしくない暑苦しいビジュアル(笑)にも関わらずこれだけの集客がありしかも盛り上がっているのは、やはり音楽自体に魅力があるからに他ならないし、ゆるキャラ的な愛すべきキャラも相まってのことだろう。

途中、ロード・ウォーリアーズの入場テーマとしておなじみブラック・サバスの「IRON MAN」やアントニオ猪木のテーマを演奏、いかにMATSさんのプロレス愛がメタル愛と同じくらい深いかが実感された。CHOCOさんのドラムソロ、BRIAN氏のベースソロという、ワンマンでしか出来ないこともそれに続いて披露された。そしてもちろんMATSさん単独のギターソロも。

さてそれからは続々と耳になじんだ曲が連発される。「MR. BESTBOUT」「HELL FIRE」「MASK DE LOUDSTORM」…順番間違ってるかもしれないし何曲か飛んでると思うけど(前半部分は明らかに何曲も飛んでます)、彼らの強みは単純明快で印象に残る楽曲を多く持っているということ。歌詞が英語だったり演奏は巧みでも楽曲が弱いバンドも多い中、これは非常に美味しいことだ。「曲名=サビ(の頭)」だから一緒に歌いやすいし、それをして「だからヘビメタは…」と鼻で笑う輩も多いであろうが、それを言えばZARDだってほとんど「曲名=サビの頭」だったべ?今はロックの歌詞も深いものが多いし私はそれを好ましい傾向と思っているが、このバンドの歌詞も熱いハートが伝わるし、皆が一体になれるシンプルさ、これもまたロックの正しい姿なのだ。

途中何回か入ったMCでは大半笑いを取りながらも、終盤で真剣な話になったらMATSさんが感極まって言葉に詰まる場面も。そりゃ大阪に進出して日の浅い頃は前で見てるのが私だけということも少なくなかったが、今や大阪でも多くの人が前に集まり、地元とは言えこれだけ沢山集まっている光景を見たらそうなるのも当然だろう。
そして「COUNT 2.9」で一旦本編は終了した。

その後は当然アンコールなんだが、「ラウドネスにはLOUDNESS、アースシェイカーにはEARTHSHAKERと、メタルのバンドには大抵バンドの名前の曲があります」という前振りに「嵐には嵐が」というのが付け加えられていたのが何だか可笑しかったが、それに続いたのはもちろん「LOUDSTORM」、そして間髪入れずに「HELL SHOUTER」へとなだれ込み、フロアを左右に分けてのコール&レスポンスで盛り上げ、全編が終了。大きな満足感を残して汗と笑いと涙の2時間は終わった。

それにしても、一時はMATSさん以外のメンバーがごっそりいなくなって活動出来ない時期もあったけど、今こうしてメンバーも定着して順調な活動を続けられているのは長いこと見てきているこちらも嬉しいし、何よりMATSさん、そして途中参加でありながら今やしっかり一体となっている他の二人もそれ以上に感慨深いであろう。

ここで各メンバーの魅力について書いていこうと思う。

BRIAN:最も若い彼の演奏を初めて目に(耳に)した時、スラップを多用するその奏法はフュージョン的であり、かなり異色に思えた。ハードでヘヴィなバンドのベーシストでこういう演奏をする人ではCOCOBATのTAKE-SHIT、Gacharic SpinのFチョッパーKOGAがいるが、いずれもHR/HMと言い切れない音楽性であり、こういう純度の高いメタルをやってるバンドでは貴重な存在と言えるだろう。それが今のLOUDSTORMの大きな個性になっているのだから大したものだ。

CHOCO:手数・足数とも多くて技術的にもかなり高度なものを持っているし音も重量感があるが、それでいて非常に引き締まった印象がある。それがバンド全体の音をがっちり支え、大きな推進力になっている。こういうドラマーが底辺を支えているから、前で動ける二人が思う存分暴れられるのだろう。

MATS:外道の加納さんやWILD FLAGでの恭司さん、またかつてのPINK CLOUDでのChar同様にギター1人でヴォーカルも兼任という大変なポジションながらどちらも両立させていることがまず素晴らしいが、演奏している時の顔同様(笑)、そのプレイも非常に表情豊かであるのは特筆したい。ヴォーカル以上にギターが「歌って」いるのだ。速弾きだけは立派でも心に響かないプレイをするギタリストが多い中、速さはそれほどでもないながら一音一音が響いてくるというのは今時貴重だ。さすがにヴォーカルは専任ではないから多少弱さも感じられるし今回も終盤はかなり辛そうだったが、楽器と兼任しながら歌っている人ではかなり上出来だと思う。だから「もっと痩せろ!」という心の声(笑)はどこかに飛んでしまい、あの外見すら愛される要素にしてしまうのは本当に凄いことだと思う。

これだけ個性的な面々が集まってもそれがバンド全体としてうまく機能しない例も多々あるが、今の彼らは一体感も素晴らしい。やってる音楽自体も魅力的なんだから、もっと多くの人に知ってほしいし、もっと人気が出ても良いと思えるのだ。願わくば、大阪でもワンマンが出来て全国ツアーが出来るくらいになってほしい。それだけ応援のし甲斐があるバンドなのだ。

さて終演後は結構遅くなってたから終電も気になることだし、メンバーの皆さんにも挨拶程度で会場を後にしたが、心地良い疲労感を覚えながら(今度は迷うことなく)帰途に就いた。
いやほんまにね、こうして和歌山まで出向くのもいいけど、早く大阪でもワンマンやれるくらいになってほしいね。距離的なこともあるけど、それだけの可能性は持ってると思うから。それに期待しつつ、これからも応援を続けたいと思います!

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