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Channel: 屋根裏部屋のグダグダ文化論
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LIVE REPORT:ROCK THE MOUNTAIN

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 まず皆さん、このアルバムを覚えておられますでしょうか?

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 はい、某雑誌の編集長が「最強タッグ誕生!」と猛プッシュしてて、凄く期待してた人と「あー、どうせあいつの押してるものだからね~」と冷ややかな人に分かれてたようで、蓋を開けてみれば確かに歌とギターは凄いものの、あんまり印象に残る曲が少なくて(あくまで個人的な感想)数回聴いた後はラックの肥やしになってたし、ライブも東京で1回のみ、しかも日曜だったから大阪から遠征のしようもなく、あの日私は大阪城ホールで氷室京介を見ていたはず。おまけにその1回のライブがDVDになることもなく、だから関東方面以外の人にはその様子が伝わることもなくて、結局このタッグ自体も本作1枚のみでフェイドアウトしてしまったという、何とも歯痒い結果に終わってしまった伝説?のユニット…それぞれが以前組んでた「DOUBLE DEALER」や「GOLDBRICK」みたいなカッコいい名前も付けられずに名義も2人の名前を並べただけ、更にはアルバムも2人以外の音は打ち込み(ライブではGERARD楽器隊がサポートしたけど)というのがネックだったのかなあと思わせてしまった、あの…「梶山章&下山武徳」による2008年発表の「INTO THE DEEP」です。
 その後は下山アニキがSABER TIGERに戻ったり、梶山さんがGOLDBRICKを一時的に復活させたり(これも東京でライブ1回だけだった)で、広瀬のおっさんの思惑通りにはいかずに自然消滅してしまって、だからもう見れる機会もないだろうとすっかり頭の中から消えていたような感じだったんだけど、まさか今回、OZMAさんの主催だから「OZMANIA」企画の延長であろうとはいえ、こういう形でお目見え出来るとは夢にも思っていなかった。
 まあ、言わば即席メンバーだからカバー曲が中心でアルバムの曲はそんなにやらないだろうけど、一応予習(復習とも言う)して行くかと思って久しぶりに聴いてみたけどやっぱり覚えられない…まあいいや、なるようになるさと昨日この日を迎えたのであった。

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 あの顔ぶれでこの会場?狭いんじゃない?という心配をした上に場内の前の方には2列ばかし椅子が並べられてて、おいおいこれじゃますます狭苦しくなるやんという心配も。ただ、開場~開演まで1時間あったにも関わらずこの段階ではそれほど人も入っておらず、ちょっと心配を抱えながらも開演となった。

Daze'N’Addict

KOJI:Vocals
青木智:Guitars
藤田澄人:Bass
akko:Keyboards
堀江睦男:Drums
 まずはオープニングアクトのこのバンド。とは言いながら結果的に1時間くらいやったんだけど、何人いるのかわからない「関西のデヴィッド・カヴァーデイル」の1人・KOJIさんの太くてパワフルな歌声を中心に確かな演奏力で脇を固めた演奏陣も見事。BOILING BLOODでは下手側の女性陣のアクションが激しかったために目立たなかったギターのあおぽんさんも前に出てきたりして結構動いてたし、手堅いけど地味なギタリストというイメージは払拭されていたと思う。KOJIさんが用意してたマイクの電池切れの間をつなぐためにakkoさんにMCのお鉢が回ってきていつも通り半分以上はあの高笑いだったりとか、「次の曲何だっけ?」などとボケをかましたり、メンバー紹介の時に各メンバーを戦隊ヒーローになぞらえて色分けで紹介するも、なぜakkoさんがピンクじゃなくてブラック?と思ってたら堀江さんがピンクで妙に納得したりと、歌・演奏以外の部分でもなかなか楽しめた。年が明けたらレコーディングに入るとかいう話だったけど、あの曲数だったらアルバム1枚分くらいは揃ってるんじゃない?まあ、それは出来上がってからの楽しみということにしておこう。

 さて、次までの転換の間に人がどんどん増えて、「もっと詰めて下さい」の呼び掛けも。そりゃあこの会場じゃ狭い…というかやっぱりあの顔ぶれなら期待もしますわな。というわけで、↓真打登場です。
 

ROCK THE MOUNTAIN

下山武徳:Vocals
梶山章:Guitars
臼井孝文:Bass
高橋和久:Drums
清水賢治:Keyboards
 最初に書いた梶山下山タッグにX-RAYリズム隊+1という編成、そりゃ期待も大きいってもんです。で、1発目は「INTO THE DEEP」からの曲だったみたいだけど、やや地味目だったし、今朝復習してみて「これかな?」とは思ったけどイマイチ自信がないのでどの曲か書かずにおきます。まだ今日も明日も明後日もあることだし、そのくらいは伏せといてもいいでしょう。
 続いて間髪入れずにDIO「STAND UP AND SHOUT」。アニキの濃くてパワフルな歌唱、梶山さんの涼しい顔と裏腹な速弾きの見事さもさることながら、他の演奏陣の好サポートも注目に値した。

 さて、この後はアニキがメインでOZMAさんが合の手を入れながらのMCが入るんだけどこれがまた面白くて…「前の方で盛り上がりたかったのに椅子が並べられてて、何じゃこりゃ思うでしょ?後ろの方の人にも見えやすいようにという配慮みたいですよ。見られてる僕ら、まるで動物園の動物みたいなもんじゃないっすか」などと掴みはバッチリ。「ここは大阪だから、MCの合間に歌みたいな感じで進めます…いやちゃんと歌いますよ」…大阪じゃなくてもアニキの出るライブは大体そんなもんだけど。
 
 で、次に披露されたのが「BACK IN BLACK」…誰がこの顔ぶれでAC/DCをやると想像しますか?でもこれが思いのほかはまってて、アニキの歌声がブライアン・ジョンソンになり切ってる様子が見事だった。梶山さんはいつもの梶山節だったけど、しかしこういう曲も自分たちのカラーでやってしまうあたりはさすが歴戦の強者揃いだからこそ。
 次はイントロでわかるWHITESNAKE「CRYING IN THE RAIN」だったのだが、すぐに歌に入らずにアニキが「今日本に来てんだよな。明日俺の地元の札幌でやるんだぜ。見に行きたいよ、こんなとこで歌ってる場合じゃないけど、でも歌います」みたいな感じでやっと歌に入った。こういう笑わせる部分とガッチリ聴かせる歌・演奏のギャップがほんま凄い。

 今回のツアーは東京・大阪・広島の3連チャンの予定だったのが浜松・富士も加わって結果5連チャンになってしまったようで、アニキは「何日でも連チャンで歌いますよ」言いながら最高は4連チャンだったとか。移動の車に機材を乗せるためにスペアタイヤとか置いていったものもいろいろあるけど、物販で売るTシャツは乗せなきゃならないし、来年もこのメンバーでやれるように皆さんTシャツ買って下さい!なんて感じだったかな?まあほんま面白い話がいくらでも出てくるな~。

 梶山下山タッグで作ったアルバムからも何曲かやるけど、あっちでは全部英語だったのを日本語で歌うということで場内が沸く。そして歌われたのはアニキが老母に捧げた「母へ」だった。切々とした部分とサビの絶唱のコントラストが見事だった。

 その後は来春、梶山下山+GERARDからの永川・長谷川+元ANTHEM本間という組み合わせでの「虹伝説」ライブの告知。私は既にFBで知って「おおっ!」と思ったけど、これもまた楽しみだな~。

 このメンバーだからX-RAYもやらないわけにはいかんだろうってことでの「LONELY GUYS」、続くLED ZEPPELIN「IMMIGRANT SONG」は終盤であまりに意外な鍵盤ソロとややパープルなギター&歌の掛け合い、またまた梶山下山アルバムからの「歌人」…当時「久しぶりの速弾き解禁!」(別に封印してたわけじゃないだろうけど)と言われていた通りに梶山さんの技巧が光る。そして最後はDIO「WE ROCK」で盛り上げて本編が終わった。

 さて当然アンコール。翌日は広島でNSGと対バン…例のポップな脱退宣言(笑)をした人のいるバンドだけに、アニキにとっては遺恨試合(梶山さんもPRECIOUSで一緒にやってたね)になるので今日の内にやります!というMSGの「ARMED AND READY」…驚くべきは1度も合わせていないということ!それでも聴かせてしまうのはさすが達人たちの成せる業と言うべきか。というわけで全編終了した。

 いやしかし、どんな曲をやってもしっかり聴かせてしまうというのは本当に凄いことで、リッチー絡みの曲をやらなかったのは前回のOZMANIAとか来春の虹伝説との兼ね合いだろうけど、AC/DCにZEPにMSGは驚いたな~。まさに圧巻、たっぷり満足出来たライブでありました!

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