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Channel: 屋根裏部屋のグダグダ文化論
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LIVE REPORT:矢沢永吉「TRAVELING BUS 2017」@大阪城ホール2日目

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さてお待ちかね、先日の矢沢永吉レポです。

私は毎年永ちゃんを大阪城ホールで見るのが恒例のように思われているが、実は5年ぶりである。
岡垣さんと被ったり、全く取れなかったりで名古屋に遠征したのが2回、東京ドームに行った後はツアーそのものがなかったのが1回、春のZ's@神戸ワールド記念ホールは見たが年末のツアーはまた取れなかったのが1回と、しばらく違う場所を流転していたのだ。
そしてこんな時に限って去年の大阪城ホール2日目がDVDになって、また悔しい思いをしたものだ。

しかし!このところ毎回取れず「この頃は永ちゃんも取るのが大変になってきたなあ」と思ったところに今回はサクッと取れてしまった。
よし!これで心置きなく年が越せる!と喜び勇んで当日を待ったのであった。

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そして会場に到着。ああ、帰ってきたんだ…懐かしい思いがこみ上げてきた。

会場の周辺はいつもと同じ雰囲気…だが、しばらく離れていた故に気づいたこともあったりで、その辺は後で書くが、見慣れた顔もちらほら見える中、開演時間が迫ってきたので場内に。

今回は土日の公演が17時スタートと早い。永ちゃんももう68歳だし、やはり早く始めて早く終わりたいのかな?
永ちゃんコールがあちこちで聞こえる中、ほぼ定刻に暗転、大歓声の中で開演となった!

…まだツアーは今日も含めて東京が3回残っているので曲目は伏せるが、ツアータイトルの通りに初期の楽曲…1~2枚目を中心に70年代のCBSソニー時代の曲が(特に前半に)多数披露された。
これにはとても懐かしい気分になり…というのは厳密には違う。私が永ちゃんのファンになったというか真剣に聴き始めたのは高校1年…82年のこと。だから70年代はリアルで知るわけもなく完全後追いなのだが、ディープ・パープルやレインボー、BOW WOWの70年代楽曲を後追いで聴いていてもそれらがまるで前から知っているかのように馴染んだかの如く、永ちゃんの昔の歌もそうなっていたのだ。

そして今回はいつもより演出も多め。どのタイミングかはこれもまた伏せるが、ファイヤー!にフラッグ!と、バラードではお馴染みのミラーボール…まあ、今年同じ会場でやった水樹奈々には負けるがエレカシには勝ってるかというくらいの規模。

MCでは「最近、MCが始まると皆静かに聞くようになったね」とか、「80までやって下さいってメールもらうんだけど、まだ70にもなってないよ」とか。まあ、この辺もいつもの調子だった。

さて後半には新しめの曲も入りながら進むんだけど、本編最後のバラードがまた染みてね…いい感じで一旦中締めとなった。

その後はもちろんアンコールなんだけど、メンバー紹介でベーシックな演奏陣が全て外国人であることが判明。ジェフ・コールマンじゃない方のギターが米川さんにしちゃあ見た目が「あれ?」な感じだと思ってたらそういうことで、名前は何とも読みにくいし間違ってたら嫌なので書かないけど、なかなかいいプレイをしていた。
ドラムは久しぶりに戻ってきたジェフ・ダグモア、そして今回最大の目玉?はベースがトニー・フランクリンであること!ツアー序盤でその噂は聞いていたが、元ファーム、ブルー・マーダーでフレットレスを得意とした彼である。そのプレイがどういう効果をもたらすか?に関心があったのだが、他のメンバーとのコンビネーションも良く、見事に永ちゃんの歌を支えていた。

ここで書いておかねばならないのは、前回がもう1年半前のZ'sになるんだが、あの時に「通常ツアーとは音圧が違う」と書いたのはやはり私の思い込みではなく、実際にそうだったということ。ワールド記念ホールの音響の悪さを差し引いても、若い日本人メンバーと比べたら特にリズム隊は迫力が圧倒的で、やはりあの感じは日本人には出せないのかな?と思った。

アンコールは3曲…最初の曲では歌詞が飛びまくったが、まあこれはご愛嬌。「責任があるから飛ぶんだよ」ということで(笑)。残り2曲はいつものタオル投げの定番で、2時間超のライブは終わった。

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終演後には雨が降っていて、どうも私は日産スタジアム以来永ちゃんに関しては雨に見舞われる傾向があるようで…まあ、小雨程度だったからそれもまた良し。

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昔は「高い」と思ってた3000円のツアーパンフ、近年は他アーティストのパンフが値上がりしてきている中で私が初めて行った94年以来据え置きなのはありがたいが、年々作りが安っぽくなっている気がするんだが?でもこういう一言がやはり響くんだな。

あ、そうそう。私の隣の席はどう見ても80過ぎた婆さんで、おそらくその向こうの席の息子さんと思しき人に連れられてきたんだろうが、最初は周りに合わせて立ったり座ったりしながらも途中からはほぼ座ったままで、やはりこの年代の人には辛いよな…と思ってたら、アンコールになったらすくっと立ち上がって若者顔負けのノリノリっぷり!いやあ、いいですねえ~。

また、「永ちゃーん!」という黄色い歓声が飛んだのも驚き。女性客といってもそう若くない人が大半だから、茶色いとは言わなくても黄土色くらいの歓声ならわかるんだが、明らかに若い女の子が68歳の歌い手に向かってねえ~。ほんま、中高年の男性ばかりじゃなく、いろんな世代の人たちが来てるってのはいいことだと思う。

さて…それに水を差すようでアレだけど、私が今回気になったのは、「大阪のお客さんってこんなにマナー悪かったっけ?」ということ。開場前に場外で旗を振り回してる集団、灰皿のないとこでの喫煙者、そして今じゃ禁止されてる「後方を向いての」永ちゃんコール…
最初のは他の地方からだったようだが、族の集会じゃあるまいし、もうそういうノリはやめましょうよ。2番目は私だって我慢してたんだし、今のご時世、もっときちんとしましょうよ。そして最後のは、「永ちゃんコール」が悪いとは言わない。むしろ私は好きだし、あれを聞くと「永ちゃんのライブに来たんだな」という実感が沸くが、やはり「強制」と認識されるために禁止されたことはやめた方がいいし。

大阪城ホールで永ちゃんのライブに来るのは日常の一コマになってたからそれまで気にならなかったんだろうけど、他の地域の会場で気になったことが大阪でも同様だった、というのはしばらく離れてみてわかったようだ。
「だから矢沢ファンは…」と言われないよう、皆さんもっと最低限のマナーは守りましょうね。

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ほんま、こんな気分だったよ私は。

まあ、その辺に不満はあったけど、ライブそのものは素晴らしかったし、大いに満足出来るものでありました!

ZIGGY 「BLOND 007」 (新○俊○参加?)

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STROLLIN'
PSYCHEDELIC ROMANCE
12月の風になりたい
真夜中の太陽
TOO MUCH MONKEY BUSINESS
STAY GOLD
ROLLING TRAIN
SOMEBODY'S GREED
CRAZY DIAMONDS
LET THE MUSIC PLAY
FEEL SO GOOD
虹の向こうに


森重樹一:Vocals
戸城憲夫:Bass

Black Advance Freeman:Guitars
Jimmy F. Driver:Drums


ZIGGY、1994年発表の7thアルバム。

84年にヴォーカル・森重樹一を中心に結成されたZIGGYは、度重なるメンバーチェンジの末に、森重、戸城、松尾宗仁(ギター)、大山正篤(ドラムス)というラインナップで87年にメジャーデビュー。89年のシングル「GLORIA」の大ヒットで一躍人気バンドになるが、92年に松尾・大山の2人が脱退。その後はしばらく森重・戸城の2人であとはサポートを迎えての体制となるが、そうなって2作目が本作である。

エアロスミス、ハノイ・ロックス、ガンズ&ローゼズあたりの路線と思われがちなこのバンド、それは間違いではないのだが、特徴的なのはそれらのバンドより歌メロがはっきりしていて覚えやすいところだろう。これは森重さんが少年時代に聴いて育った沢田研二や西城秀樹といった歌謡曲の影響が大きいようで、少なくともデビュー年が同じであるガンズからの影響は大きくないような気がするし、雰囲気だけを先述のバンドたちから受け継ぎ、甘美な歌メロが軸になっているのが彼らの個性を際立たせていた。
元々全ての楽曲の創作を手掛けていた2人だけが残ったためにその傾向は大きく変わらず、ただ前2作でよりポップな方向にシフトしていたのをハードな感触に戻したのが本作、と考えれば良いだろう。

ハードとは言っても初期と違ってかなりメタリックな印象があるが、ここでゲスト参加の2名がクローズアップされてくるのである。

ギターとドラムの両方に外国人のような名前がクレジットされているが、これ実は当時戸城さんがZIGGY本体と並行してやっていたLANCE OF THRILL(後にSLUT BANKSに発展)のメンバーだった、ジェット・フィンガーこと横○敦(ギター)、そしてBやVで活躍した新○俊○(ドラムス)なのである。
契約上の問題で名前を出せなかった両名であるが、聴けばその個性はまるわかりで、メタリックな感触は横○さんのギターが前に出ているからだし、ドラムも明らかに新○さんの音なのが面白い。

さて、新○さんの変名である「Jimmy F. Driver」…シルバー・スターズのドラマーの名前を思い出して頂ければ良いだろう。あちらには「F.」は入っていなかったが、こういう遊び心に思わずニヤリとしてしまう。

なお、ZIGGYはこの後、メンバーの度重なる入れ替わりを経て現在は森重さん1人が正式メンバーという状態であるが、最新作「2017」のドラムがWILD FLAGの満園英二であるのが因縁めいたものを感じさせる。そちらも素晴らしいアルバムなので是非お試しあれ!

私の「BURRN!READER'S POP POLL 2017」

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今年はこういう感じになりました。

ギタリストに関しては有無を言わさずだろうって?
そうとも言うけど、昔の「MUSIC LIFE」みたいに選択肢が複数だったら書きたい人いっぱいいるんですよ、マジで。
それはヴォーカリストでも同じことで。
今回は恭司さんとシェラザードが強かった感じかな?
なお、「SHINING STAR」はあくまでライブでの存在感を考慮しての上で、「奇跡の一枚」は関係ありません( ̄▽ ̄)

※「BEST ALBUM COVER(ジャケット)」のタイトルが抜けてました。もちろん「once more」です。

LIVE REPORT:「Jutaro's 60th Birthday Special」@心斎橋soma

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スターレスやシェラザードでお馴染みの大御所ベーシスト・大久保寿太郎さん、私がスターレスのライブを見始めて2回目くらいの頃に「もう50ですよ。老人の域に入ってきたんちゃうかな」なんておっしゃってたが、それからもう10年経つのか…しかし見た目全然変わらないし、プレイも衰えないし、ほんま素晴らしいことで。
で、前にも何か記念のライブやったんじゃあ?と思ったが、あれはベーシスト人生40周年で、あの時も豪華な顔ぶれだったけど、寿太郎さん以外にも1月生まれのミュージシャンを多数集めた今回もそれに劣らず豪華で素晴らしいイベントだった。

本当は、Mitty & FOOLISH BOYSも出るはずだったけど、事情により(詳しいことを書くのは無粋なので書かない)キャンセルになったので6バンド…それでも長丁場になることは確定だったが、最初から結構な入りで、大きな期待が寄せられていたことが実感された。

じゃあさっそく。

a-eyes

今回の主催者であるアンジーさんの新しいバンド。珍しく鍵盤なしでアンジーさんがギターも兼任。プログレよりもハード・ロック寄りの音だったが、もっとシンプルでストレートな感じ。人柄重視でメンバーを集めたとのことだったが、技量の方もなかなかだった。

TK-G

シン・リジィとかホワイトスネイクとか、4曲くらいのカバーをやってたんだが、演奏はまあいいとしても、歌がちょっとね~( ̄▽ ̄) でも真剣にやってたからまあいいでしょう。

黒い呪術師

ブッチャーかよっ!な名前のこちらは、まさしくブッチャー…じゃなくてLOUDSTORMのマッツさんがゲイリー・ムーアにチャレンジだという。前々からゲイリー好きなことは聞いてたけど、LOUDSTORMの音楽性とは全く違うからどうなるのか興味津々だった。でも、「OVER THE HILLS AND FAR AWAY」「STILL GOT THE BLUES」「WILD FRONTIER」と、演奏はなかなかのものだった。ただ、ギターはいい線行ってても歌の方が難しそうで…金谷さんの「G-Style」で歌ってた芝本さんでさえ高音がキツそうだったのに、マッツさんは低音の方が歌いにくそうで、改めてゲイリーって歌の方も凄いことをやってたんだなあと痛感。

MAD ROCKER 2018

しまっちこと島田浩史さんが昔やってたバンドの再編。但しメンバーはビミョーに違う。「いつもサイドで弾くことが多いけど、センターってのは気持ちいいね」とはしまっちさんの弁だが、ABOWWOWでも聴かれるご本人の歌は立派なもので、もちろんギターもさすがの技量と他にはない個性で聴かせてくれたのであった。

Secret JOKE

マッツさん、しまっちさんに続くは金谷さん…凄いギタリストの連発。しかも皆さん1月生まれって、これまた凄くない?余談ながら恭司さんは3月生まれ、光浩さんは2月生まれ(私と同じ誕生日)だし、早生まれは凄い人が多いのね。
金谷さんがもう少しで無期限活動休止してしまうからこれは見逃せない!との思いだったが、その分ご本人のギターも、他のメンバーの演奏も気迫がこもっていた。
なお、大阪城野音の時に肝心なとこでTAKUさんのベースの音が出ずに焦った同じ箇所で、今度はまた違う原因で音が出なかったというアクシデントがあったらしいが、それはほんの些細なことにしか感じられなかった。
で、「JAIL BREAK」で終わりかと思ったら、まさかのアンジーさんが呼び込まれてまさかの「ILLUSION」!もりけんさんとのダブル・ハイトーンは強烈で、いやまた貴重なものを聴かせて頂きました。

Jutaro's 60th Birthday Special

さていよいよトリ、ようやく寿太郎さん登場。まずは寿太郎さんと堀江仙人のリズム隊の上に、Vo・もりけんさん、Key・あおぷさん、Gt・中谷さんでスターレスを。
ス、スターレス!?男性ヴォーカルで?いや、もりけんさんはジュラさんが脱退した後にしばらくサポート参加してたらしいし、あおぷさんも90年代に在籍してたから、ギター以外は全て「本物」ということで「銀の翼」「瞳の奥に…」等3曲を披露。いやこれが良かったんですよ。どうやら今年は「スターレスとしての」ライブも予定されてるようで、そちらも楽しみになってきた。

続いてはKeyが永川さんに交代、VoとGtはBLACK MASQUERADEの2人で、ジョー・リン・ターナー在籍時のレインボーを。「SPOTLIGHT KID」「I SURRENDER」の2曲だったが、間の話が長い(笑)。永川さんはジョーのバックでも演奏してたから少し本物っぽい、永川さんも来年還暦だから記念ライブやろうか等、いろいろ面白い話が出てきた。肝心の歌と演奏はさすがに文句なし。

そしてVo・アンジーさん、Gt・モックさんでシェラザードをやるコーナー。しかし前の記念ライブの時もそうだったけど、なぜか「ほぼ」シェラザードで「完全に」シェラザードじゃない。前は永川さんいなかった代わりにあおぷさんだったし、今回は平山さんの代わりにモックさん…シェラザードと第1期ノヴェラの混成という不思議な編成だった。そしてまずは「怒りの矢を放て」。元々シェラザードの曲でノヴェラとしての1stアルバムにも収録されたからモックさんが弾くのには全く問題ないのだが、音色もフレージングも癖の強い平山さんとは全く個性の違うモックさんがどう弾くか…でもそこはさすがのキャリアの持ち主、これもまた十分聴き応えのあるものだった。曲はそのまま「鏡」へつながって終わった。
10月にはシェラザードのライブも決まってるそうで、関西プログレ界は今年凄いことになりそうやね~。東京や名古屋に遠征してる時間がないかもよ。
そしてラスト1曲「名もなき夜のために」で一旦本編終了。

アンコールでバースデーケーキの蝋燭の火を寿太郎さんが吹き消し、「涙の中へ」で全編が終わるが、しかしまた濃い~イベントだった。最初から結構な入りだった客席もどんどん人が増えて、最後の方は立ち見もかなりの数だったし、中身も非常に充実していた。
アンジーさんいわく「これからどんどん還暦記念が増えるよ」との言葉通り、私が高校の頃に聴いて知った皆さん、その辺の年代が非常に多い。これからそういうライブが続くと財布がパンクするなあ…でもまあ、それもまたいいだろう。可能な限りお付き合いしますよ、私は…って、ほんまに大丈夫か?みたいな。

Joe's grandson!

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もう66歳(ロブ・ハルフォードやデヴィッド・カヴァーデイルと同い年)だから全然不思議じゃないけどね( ̄▽ ̄)

ロックの鍵盤は要塞であれ!

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私はロック(特にハード・ロック、プログレ)の鍵盤=要塞であってほしいんです。見るだけで弾けませんが( ̄▽ ̄)
今は機材の進歩によって1台で多彩な音色を出せるようになり、1台とか2台くらいのこじんまりしたセッティングが主流だけど、見た目も実際の音もやっぱり「要塞」の方が重厚に感じるし。

そもそも私が本格的にロックに目覚めた頃はYMOの全盛期で、教授の要塞(とは言わんか?)や松武さんの「タンス」に圧倒されたのが大きいもので、だから好みがHR/HMに移行してもやっぱり鍵盤=要塞を求めてしまうんです。

80年代に人気のあったこっち系のバンドのほとんどは鍵盤なしだったんですが、そんな中で要塞を駆使する厚見玲衣さんの存在が目に留まり(写真は厚見さんの機材)、そこからですね、70年代のHRやプログレにさかのぼって聴くようになり、要塞に囲まれた鍵盤奏者たちにときめくようになったのは。

80年代といえばDX7やシモンズの流行った時代でもありましたが、私はあの辺の人工的な音が大っ嫌いでした。だから世間で流行ってた音楽に疎かったんです。あ、今もか( ̄▽ ̄)

とにかく!エレクトリック・ギターにはマーシャルの壁、鍵盤は要塞(せめて「教壇」?)でレズリー・スピーカー、ロックはこれですよ!

改めまして、皆さんにお願い!

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当ブログの運営方針の確認も含め、皆さんに改めましてお願いします。

コメント頂く際は、最後まで読んで内容を理解した上でお願いします!

私の場合、文章が長くなりがちなので単語だけ拾って読む人も少なくないと思いますが、それでは内容をきちんと理解して頂けず、しまいに全く違った方に解釈したコメントが入ることも少なくありません。なので、

単語の拾い読みだけの方はコメントお断りします!

内容を全く無視した自分勝手なコメントもお断りします!


また、私と意見が違うからといって自分の意見に合わそうと粘着する人、細かい部分の揚げ足取りも見られますが、そういう人の大半が自身ではブログを開設せず、またSNS等での情報発信もしていないのが現状です。

私と異なる意見のある方は、まずご自身でブログを開設してそちらで主張して下さい!

私にご自身の意見をゴリ押し・粘着するのはやめて下さい!

揚げ足取りをする前に、まずご自身が手本を示して下さい!

個人的なぼやきも、ご自身のところでお願いします!


更に、私のブログが音楽記事中心なのに動画のないのが寂しいと思われがちですが、

私はブログに動画を貼りません!

これについては改めて書きますが、特にライブレポートには一切貼るつもりはありません。

全文読むのが面倒だから「動画貼れ」と言われても一切応じません!


ここしばらく、こういった案件で非常に不快な思いをし、結果ブログの更新頻度が落ちてきています。
業務多忙で執筆意欲が削がれているのも大きいですが、本来は音楽以外にも寺社巡りや美術品、歴史・文学・神話・伝承のことも書きたいんです。が、そういう話になると更に内容を理解しないコメントが入ることは目に見えています。

ならコメントを承認制にして、不快なものは承認しなければ済むことですが、私は底意地が悪いのであえて「誰でも可」にしています。

あまりに不快なコメントは、記事を起こして晒し、徹底的に糾弾します!


ブログは楽しくやるものであり、私もそうしたいですが、それには「双方が」楽しくなければなりません。どちらかが不快になるようでは成り立たないんです。

自ら敷居を高くしてしまうようですが、以上のことを守って頂けるよう、くれぐれもお願いします!

私がライブレポートに動画を貼らない理由~目指すはネット版・私的ミニコミ誌!

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Wiki文法でのYouTubeの貼り方を忘れてしまい、いちいち復習するのが面倒くさいから

以上です。

…で終わってしまったらあっさりすぎるので、もう少し、いやくどくどと。長くなると思いますが(いや間違いなく)辛抱して読んで下さい。

なぜこんなことを書こうと思ったかというと、ご存知の方もおられる通り、ライブレポに入ったコメントに対していざこざがあったんですね。

楽しそうですね。今度、YouTubeから曲紹介してくださいね。

この一言に私は猛烈に腹が立ったんです。

同じようにライブレポを書いてる人(こんな長文書くのは他にいないと思うけど)、同じことを書かれたらどうです?
私はそれに対してこう返しました。

私はレポに動画貼らない主義なので、すいませんがご自身でどうぞ。

皆さんお気づきでしょうが、私はレポに動画を一切貼らず、フライヤーや会場の「今日の公演」の写真くらいでライブ中の写真も全くなしに、ほぼ文章だけでレポを成り立たせています。
今やそれが当たり前になって、いつしか「動画貼ろうか」なんてことは思いもよらなくなりました。

というか、「これでいいんじゃない?」と思うようになった背景には副題のような事情もあるわけです。

私は読書が好きだから、音楽雑誌を読むのも好き。だもんで、古い雑誌をまるごと、もしくは切り抜きを残してる人もいるように、時が経っても読み返せるよう、文章だけで勝負するつもりになったんです。
実際、新たなレポを書く際に、事実関係の確認で昔に書いたのを読み返してみたり、ただ単に「あの時どんなだったかなあ」と読み返すこともあります。

そんな時に、レポに動画を貼っていたら…

はい、YouTubeもニコ動もいつまでも残ってるもんじゃありませんよね?動画を頼りに書いた文章だったら、それが消えてた時に成り立たなくなってるわけです。
それに、ほとんどのライブハウスが私的な動画撮影は禁止されています。だもんで、「その時の」映像は上げられないわけだし、その日にやった曲の動画を貼ったところで撮影はその場じゃないんだから、「その時の、その場の」雰囲気は伝わりません。
写真を多くアップして少しの文章を添える人もいますが、私には被写体が動いている一瞬を切り取る才能はありません。だからいかに文章だけでその場その時の雰囲気を伝えるか、それに専心することで今のスタイルを築いてきたんです。

「私が目指すところ」に入る前に今回のいざこざについて書きますが、まず先方のコメントを見て下さい。
本文を読んでいないことが明らかですよね?

この人は前にも私が書いた「シェラザードの」レポに、「ノヴェラのレポとは珍しい~ありがとう」なんてコメントを入れてました。
私が「違う!シェラザードです!」と指摘したらどう返してきたと思います?

目が悪いので、字が小さいと全部読めないんです。

だったらこちらの意図することを無視したコメント入れてもいいんですか?
それに対してはFBでぶちまけて、あの大野さんからアドバイス頂くという思いもよらぬこともありましたが、要はそういう人だから今回も単語の拾い読みだけで、その上にああいうコメントを入れたんでしょう。

そこで大目に見てサラッと流すのが大人なんでしょうが、残念ながら私はそこまで人間が出来てません。

もう私のブログには一切コメントしないで下さい!

と先方に叩きつけてきました。そしたら…

田舎に住んでいるので、どんな曲をやってるのか知りたかっただけです。

まあ、謝罪の言葉もあったからそれ以上は食ってかからなかったけど、私はますます腹が立ったんです。

レポ読んで、「楽しそう」と思ってどんな感じか興味を持ったら、「自分で」バンド名からの検索とか出来るでしょう?
mixiの矢沢永吉コミュでも、「今こういうバンド、ミュージシャンが面白い」というのを永ちゃんに関連付けて書き込みしてますが、そこで動画貼らなくても興味を持った人は「自分で」検索してくれてますよ。

「目が悪いから」本題を無視していい、「田舎に住んでるから」自分で検索出来ない…それおかしいんちゃいますか?
そういうのを免罪符にして好き勝手言うのはそれこそ子供のわがままと一緒ですよ。私も相当わがままですが、私の築いてきたスタイル、ひいては私の人間性まで否定された気になってしまったんです。

私だって高校までド田舎に住んでました。町内にはライブハウスなんかない、公民館はあっても誰が来るわけでもない。レコード屋も品揃え良くないし、レンタル屋もない。そういうとこだったからラジオが大きな頼りだったし、自分の聴きたいものがいつ流れるか、新聞やFM雑誌とかでマメにチェックしてましたよ。
レコードも月2000円程度の小遣いじゃそう何枚も買えるものじゃないし、だから発売前に聴けるようならラジオでチェックし、それが無理なら音楽雑誌の記事やレコード屋でもらえるチラシを頼りによく考えて買う…田舎に住んでるからこそ、その辺のアンテナは敏感になるんじゃないですかね?

はい、ここからいよいよ副題の内容に入ります。

目指すはネット版・私的ミニコミ誌!

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今も昔もいろんな音楽雑誌が出ては消えていますが、今も欠かさず購読しているのは「BURRN!」と「WeROCK」くらいで、しかも前者はいろいろ文句もあるところですが、情報源としては活用出来ます。
他にも本屋で立ち読みして、気になる記事があったら買う、ということも多いですが、私が好きだったのは写真右側の「ストレンジデイズ」でした。
今は休刊してて、このまま消えるのか復活するのかはわかりませんが、プログレや古いロックを中心に、HR/HMやその他マイナーな人たちも多く扱ってて、非主流派の私にとっては非常にありがたい存在でした。

左側のようなカタログ的なものも多々所有し、読んで興味惹かれたら買う…そう、「文章だけでいかに興味を持たせるか」、これが書き手の腕の見せ所、なんですよね。

こういう書籍にはほぼ「ジャケット写真と紹介文」だけで、「音」は聞こえてこない。だから編集者もその辺は考えて書いてると思いますよ。中にはムチャクチャ腹の立つことを書くのもいますが。
だから雑誌を頼りに買うのは一種の「賭け」であり、それで成功・失敗どちらも経験しました。でも長いことそれをやってると「失敗」は減ってきましたね。CD・DVDとも相当な数持ってますが、今手元にあるのは私の好みが凝縮(と言うのか?)されたものであり、「失敗したから手放す」こともほとんどなくなりました。

とはいえ、出版社から出ている雑誌は利害が絡むから思ったように書けないこともあるし、だから昔この近辺の大手CDショップに置かれてた「サッカーパンチ」みたいなミニコミ誌の方がより世論を反映してて参考になりましたね。

そう、私がブログで目指しているのは、

利害を度外視した、自分が編集長で好き勝手に作ってるミニコミ誌

なんです。

ライブレポは「文章だけでいかにその場の雰囲気を伝えるか」ひいては「このバンド見たい」という気にさせるのが狙いなんです。
メジャーな音楽はほっといてもいろんなところで耳に出来る。でも、「売れてなくても良いものはある」、それを伝えるのが私の役目と思ってます。
長いこと地道にやってる人たち、将来有望と思える若手、そしてかつて名をはせながらもその後の活動が知られていない人たちの今…ほっといたら見逃しそうなところにこれだけ良いものがあるんだぞ、知らなきゃ損だぞ、というのを伝えていきたいんです。

CDの紹介はほぼBOW WOW・VOW WOW関係ばかりですが、「こんなとこにこの人が!?」というのをアピールしたいし、もちろん他のバンドでも「良い」と思ったら紹介しますよ。

ブログに動画貼るのは、雑誌にソノシート…今はCDやDVDか…の付録を付けたようなものと思ってます。
動画貼ったり、写真を多く載せるのもその人のやり方。でも私はあえて文章だけで勝負したい。だから無神経に「動画貼って」言われるのは、ライダースナックのカードだけ抜いてスナックを捨てられるのと同じ気持ちになるんだということをわかって下さい。

そして、雑誌やネット上の「公的な」ライブレポは撮影許可をもらってたり、あらかじめセットリストをもらってたりしてる分、詳細に書けるんだと思います。私は一般人だからその辺に大きなハンデがあります。それでも私の書いたもので喜んで頂いてる方も多いんだから、そういう方々のために今後も可能な限り書いていきたいと思っています。

まだまだ書きたいことはあるけど、十分長くなったし、あとはまたぼやきになってしまうからこの辺で終わります。
お付き合い下さった皆様、ありがとうございました。

現代日本の軟弱化した文化・芸術に物申す!

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先日ネットニュースで、昨今のマイルド化した絵本・童話に対するアンチテーゼとして、原典の痛々しい描写もいとわないものを発行する出版社のことが話題に上ってたけど、そういうのは今に始まったことじゃなく、昔からあった問題なんだよね。

「かぐや姫(=竹取物語)」からは5人の貴公子の求婚に対する無理難題が、「おしゃかさま」の伝記からは鬼子母神が子供をさらって「食べる」という表現がカットされてたのは後になって知ったことだし、ギリシア神話からはエログロの要素が同じくカットされていた…
だいたいこういうのは中学生くらいになって知るものなんだけど、私は実家にあった百科事典を小学校の高学年くらいから読んでいたので、早くに知って衝撃を受けてたものだった。

少し前に、トップの画像に使ったような本で「昔話がいかに子供向けに毒抜きされてきたか」が話題になったものだけど、私に言わせればそんなことは昔から知っていたし、それが衝撃に思えるほど今の絵本、童話、漫画、ひいては文学、美術、音楽に至るまでが「規制、規制」で弱体化させられてきたかを痛感するのだ。

昔は「少年チャンピオン」や「少年ジャンプ」に掲載された漫画も下品なギャグ、エログロシーンがたっぷりで、こまわり君のギャグを真似して親に怒られたり、「エコエコアザラク」でダークな世界に興味を持ったり…
でも、そんな中でも「ブラックジャック」のヒューマンドラマや、「マーズ」「百億の昼と千億の夜」でそれまで正義と思ってきたものが悪だったりして考えさせられるものがあったりと、今の「誰もかれもが、何もかもが横並び」なものじゃなかったよ。

今は運動会でも順位をつけず、学芸会の劇でも「みんなが主役」ってのはおかしいんじゃない?
競走でビリになっても勉強でトップをとることで自信を持てるわけだし、主役・脇役があるから社会に出ても誰もがそれぞれの役割を果たしていることを知るのにつながってくるわけだし。

「みんな横並び」「臭いものには蓋」で世の中の醜い部分を見せないようにしてるのに、なぜいじめの陰湿化や少年犯罪の残虐化が増えてるのか?私にはこれが逆効果になってるとしか思えないのだ。

昔のドリフのギャグが下品だ何だとPTAから文句が来たりしたけど、そんなもん、今のとんねるず(特に石橋)の「いじめ」としか思えないのに比べたら可愛いもんだったじゃない?

TVドラマからは裸が消える、山田風太郎や坂東眞砂子の小説を映画化したらエログロ要素は排除される、セカオワみたいな毒にも薬にもならないのが「新世代ロックの旗手」としてもてはやされる…
しまいにサザンや山下達郎みたいな本来毒気たっぷりな人たちまでそういう部分を抜いたベストアルバムばかりが売れる…おかしいと思いません?

臭いものに蓋をしてきた結果、物事の加減というものがわからず、人の痛みもわからない連中が増えて、先にも書いたいじめの陰湿化、少年犯罪の残虐化につながってるんだと思う。

私はこれ、今の世の中には変なカーストみたいなものがあって、それを守るために文化・芸術のジャンルにまで圧力をかけてるんだと勘ぐってしまう。

・世襲続きで庶民の感覚を知らない政治家
・自分の利益しか考えないブラック経営者
・頭の中まで筋肉だったり、媚びて出世した管理職
・反発して出世出来ない、または牙を抜かれた社畜
こういうカーストが出来上がってて、それに属さない(出来ない)のがニートだったりする。

バブル時代は就職も売手市場だったけど、実際は「規律という名のいじめ」に強い体育会系が強かったわけで、そこから出世した連中も同じことを立場が下の者に強いる…体育会系の全部が全部じゃないけどね…そして逆らったら出世も出来ないから、媚びへつらうか諦めてしまうか。それが今の日本の社会なのだと思う。

そして逆らうだけの気概を持った者から牙を抜くように、文化・芸術のジャンルにまで規制をかけ、上層部が自分たちのポジションを安泰化させようとしているんじゃないか?

私は文学にしても音楽にしても、直接的なメッセージを売りにしているものは好きじゃないし、尾崎豊の犯罪行為を美化した歌(それが彼の本質じゃないけどね)なんかには否定的な考えだ。
でも、山下達郎や桑田佳祐の毒づいた歌、谷山浩子のダーク・ファンタジー、エレカシの「知的な暴走」はもっともっとやってほしいと思うし、ハードでヘヴィな音楽をやってる皆さんを支持する「反主流派」がもっと力を持てないものかと、常日頃応援してきているのだ。

去年は「怖い絵展」が好評だったが、やはりああいうダークなものに惹かれる人が多いんだと実感した。
世の中、綺麗事ばかりじゃないんだぜ。醜い、汚い部分もいっぱいなんだぜ。そういうものを見せていくのもまた文化・芸術の役割だと思う。
スポーツに比べたら軽んじられてる感のある世界だけど、日本という国をもっと良くするためにも、そこまで行かなくても青少年の(本来あるべき)健全な育成のためにも、臭いものに蓋をせず、牙を持った文化・芸術の発展を心から祈ります!

長いことご無沙汰してますが…

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先月は結局何も書かずに終わっちゃって、こちらしか見てない方は「何かあったのか?」とお思いかもしれませんね。
放置しても最大1ヶ月が限度なのに、それ以上にわたって音沙汰なしだから…

いやね、1月に足を大怪我しちゃったんですよ。仕事中にド派手に。
おかげで10日くらい歩けずに自宅療養、直近の記事はその時に書いたものなんです。
そしてそのツケが回って仕事がてんてこ舞い、毎日遅くまで残業しーの土曜日も毎週つぶれーので、ライブ行けない→レポ書けない、ということになってるんです。

足の方はどうかと言えば、トニー・アイオミの右手みたいになるとこだったけど、先がちぎれた2本とも新しい爪も生えてきて、かなり回復はしてきてます。
でもまだスタンディングのライブや寺巡りは辛いなあ、といったところですね。

LIVE REPORT:「ハード・ロック・キーボードへの誘い」(Jill岡垣SPECIAL BAND/寺町ローザ)@阿波座BIG JACK

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前回の書き込み通り、1月に足を大怪我したために歩行や長時間立ちっ放しが困難になり、しかも激務のため2月中は全くライブに行けなかったので当然レポはなし。3月に入って2回行ったけど、やはり時間が取れずにこちらでみっちり書けずにFB限定の走り書きで済ませてしまった。
今もまだスタンディングのライブは辛い。なので今回も心配だったが、椅子が出されていたのでそこは助かった。
…という私の事情はさておき、さっそくレポに移ります。

寺町ローザ

Crystal Arrowのベーシスト・藤田澄人さんと、知る人ぞ知る凄腕女性鍵盤奏者・Ayaさんを軸とした、TERRA ROSAトリビュート・バンド。実は1月にも京都で見ているのだが、高度な演奏力と強力なヴォーカルに圧倒され、ここに再び良い機会が出来たから足を引きずりながらも(実はもうそんなに引きずってないけど)見に行く気になったのだった。

曲目は「BATTLE FEVER」「ONE OF SECTIONS ‘LAP’」「BEWARE」「もの言わぬ顔」「A HELL RAY」「FRIDAY'S FREE FAIR」という初期楽曲中心だったが、前回FB限定で走り書きした通りに分厚い演奏と迫力のヴォーカルで、本物と比べても聴き劣りのしない見事なものだった。

まず、TERRA ROSAをカバーするバンドでいつも気になるのは鍵盤がソフトシンセのために音が全く違い、「そんな薄っぺらい音じゃないのに」と歯痒い思いをするんだが、そこは岡垣さん直伝の重厚な機材、そしてそれを弾きこなす腕ゆえに全く違和感を覚えず、「そうそう、これじゃなきゃ」と思えるものだった。
そして特筆すべきはヴォーカルの薫子さん。メタルじゃない時期の浜田麻里を歌いこなす見事な歌唱力は年末に体験済みだったが、赤尾さんへの成り切り具合も大したもの。太くてパワフルで、今じゃ本家でさえフェイクする部分も原曲通りに再現してしまう歌いっぷりは本当に見事。
実はこのバンドの何人か(もう知ってる人は知ってるけどまだ濁しておく)を中心に新生Crystal Arrowとして再始動することが決まっているのだが、そちらへの期待も高まってきた。
そしてラストのAyaさんの膝グリ…もう完璧!

岡垣先生の鍵盤講座

続いてはこの会場での岡垣さんメインのライブではすっかりおなじみとなったこのコーナー。
基礎的な話はいつもだいたい同じだが、それからの詳しい話は毎回違ったテーマで、弾かない(弾けない)私でも非常に楽しんで聞ける。
今回はアナログシンセでの音作りの話がメインで、mini MOOG…と言いたくなるがあれはMOOG社の製品名であり、岡垣さんはKORG製品を使用しているからまた名称は違うと思われる。が、ほぼ似たような形状で構造も同じようなものだろうし、細かい操作をして音を作っていく大変さと楽しさの説明が興味深かった。

そう、キース・エマーソンもあの「タンス」で一つ一つの音を自作してライブやレコーディングに臨んでいたんだし、そこまでではなくても音作りってのがいかに大変か…
それが80年代にDX7とかが出てきて、誰もが何の苦労もなく出したい音を出せてしまうようになり、先人たちがどんな思いをして音を作ってきたかなど全く考えずに弾いている人の多い現状はあまり歓迎出来ないものなのだ。
昔、YMOが常に最新の機材を導入して試行錯誤を繰り返しながらそれに見合った新しい音楽を作ってきたのは既に歴史上の話になっているのだが、バブル全盛期に多かったシンセがメインのバンドたちのほとんどがそうして出来上がった音の上っ面だけを取り入れ、大した苦労もなしに流行りのキラキラした音を奏でていたのは昔も今も嘆かわしく忌まわしく思える。

ハード・ロックにしてもそうで、70年代にジョン・ロードやケン・ヘンズレーが奏でた重厚なオルガンの音は80年代には過去のものとなり、鍵盤なしのバンドがほとんどだったあの時代を経て、90年代以降再び脚光を浴びた鍵盤スターと言えば、イェンス・ヨハンソン、アンドレ・アンダーセン、ジョーダン・ルーデス、ヤンネ・ウィルマン…ほとんどがオルガンじゃなしにシンセ中心、そして若い人たちはそういう奏者たちを手本にしてるからこれまた皆がそういう音。そりゃ私は鍵盤入りハード・ロックが好きだけど、何か違うんじゃない?と思う。岡垣さんに厚見さん、キャプテンこと中村美紀さん…キャリアの長い人ばかりで何だけど、やはりああいう昔ながらの音を重視してる人たちに惹かれるし、若い人でもその辺をフォローする存在が出てきてほしいと強く思った。

そして終盤はいつもギタリストを迎えて、バンド内でのギターと鍵盤の共存の仕方の話になるのだが、今回のゲストは三谷哲也さん。今の三谷さんが作る曲はほとんど鍵盤の入る余地がないのだが、やはり目指す方向性は通じていることがわかった。ソロのインストも1曲披露され、ワイルドな速弾きを聴かせてこのコーナーは終了。

Jill岡垣SPECIAL BAND

岡垣正志:Keyboards
千田忠彦:Vocal
西村守:Guitar
杉森俊幸:Bass
堀江睦男:Drums
前日の岡山でのイベントでもメインを務め、ジルプロの曲を中心にやったんだから「JILL'S PROJECT -west」と名乗ったらいいんじゃない?と思ったけど、まあその辺は大きな問題ではない。メンバーはAPHRODITE+EMERALD AISLESといった構成だが、手練れぞろいの顔ぶれゆえ、最初から期待値はMAX。
そして「REACH OUT FOR SOMETHING」「I HAVE THE SHAKES」「HEAVY RAIN SHEDS BLOOD」「CRAZY ME」といういつもの流れ、というか、昨年11月の大阪城野音でのセトリをおさらいしました、とのこと。
実はジルプロの曲で「速い曲」「アップテンポの曲」というのは全体の半分以下、1stアルバムでも10曲中4曲くらいで他はミディアムもしくはスローな曲が多いのだが、速くても遅くても楽器同士のバトルがあったり構成に凝ってたりして、全体に長くて濃いのが特徴。しかしたった2日限定のラインナップとはいえ、それを完璧に演奏し歌ってしまうのだから、各メンバーの実力の高さを改めて思い知った。

続いてはTERRA ROSAのインスト「FATIMA」。ジルプロのインストで目立つ曲といえば「NOSFERATU」があるけど、あれはギターが足立さんじゃなきゃ成り立たないし、これはこれで良かった。
そして千田さんが再び出てきて、私の好きな「UPSURGE. UNCONSCIAS.」で盛り上げ、一旦本編も終わった。

続いてはアンコールというかセッションになるのだが、上手側に置かれたもう1セットの鍵盤群の前に出てきたのはAyaさん。岡山でもやったらしいけど、ツイン・キーボードでの師弟対決…いやこれがまた凄くて、ほぼAyaさんがメインで岡垣さんがそれに合いの手を入れる感じだったけど、いやもうチック・コリア vs 上原ひろみ(こっちは師弟ちゃうけど)のピアノをオルガンに置きかえたイメージ、と言えばわかる?わからない?とにかく聴きごたえバッチリ!

それから続いて三谷さんが呼び込まれ、コージー・パウエルのソロアルバムの曲でゲイリー・ムーアが弾きまくった「KILEER」を。西村・三谷のツインギターもまた凄く、二人の持ち味の違いもはっきりしてこれまた圧倒された。

で、インスト2連発で終わるのも何か変だろうと思ってたらやっぱり千田さんが戻ってきて薫子さんも呼び込んで「BURN」を。もう耳にタコが出来るくらいいろんな人たちがやってきた曲だけど、ギターも鍵盤も2人ずつ(ヴォーカルは元々2人)ということでこれまた他に類のない貴重で凄いものが聴けたのだった。

…わざわざ出てきて金払って見る(聴く)以上、上手くて聴きごたえがあり、しかも良い曲を聴きたいと思うのは当然だが、その点に関しては全く心配ないどころか期待をはるかに上回るものだった。
特に岡垣さんは2月のAPHRODITEが仕事で見れなかったので今年初めてになるんだが、やはりあのオルガンの音は私にとって恭司さんのギターと同じくらい「なくては生きていけない」ものになってきている。
そしてAyaさんが見事にそれを受け継いでいるのも素晴らしい。女性であれだけ迫力ある音を出せて、たたずまいも華のある人というのはそうそういない。これからにますます期待したい。

なお、今回は思ったより来客が少なかった(もっと多いと思ってたのに)ので、写真の方も結構撮ってみたのだが、やはり私にはそっちの才能がないと思い知らされただけだった。FBには上げたけど、あっちは閉ざされた空間だし、こっちは大きく開かれているため上げられませんので切にご容赦を。
これだけの実力者たちが凄いライブをやってるんだから、もっと多くの人に見て聴いてほしいと思う。感性も磨かれるし、毎日の仕事への活力にもなりますよ。皆さんもっとこういうハイレベルなライブに行きましょう!ということで今回の〆とさせて頂きます。

LIVE REPORT:「Voice of Strings Storm」(三谷哲也/西村守)@阿波座BIG JACK

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昨日はね、結構ヤバかったんですよ。予約を入れて間もなく当日に仕事が入ってしまい、しかも定時までビッチリ…なので開演時間から少し遅れて入場になってしまうなあと思い、実際電車を乗り継いで本町の駅に着いたらとっくに開演時間になってたので、頭数曲は割愛だなあと思っていた。
ところが私の強運ゆえか三谷さんが待ってくれたのか(それはあるまい)、リハが押したためと思われる遅れで十分開演に間に合ってしまった!

さて今回は、三谷さんと西村守氏…紛らわしいんだけど、Fury of Fearの彼ではなくAPHRODITEの方の彼…のダブルヘッダーで、しかも両者インストというから凄くそそられたわけ。

ここ大事なとこなので大文字にするけど…

私、ハード・ロックの人のアコースティックとインストのライブが大好きなんです。

前者は大音量に頼らない生楽器と歌だけのために「真の上手さ」が問われるし、後者は歌がない分どれだけ楽器だけでイメージを膨らませ、ライブそのものを成り立たせるか…それに、どちらも歌とギターとリズム隊、時に鍵盤という基本的な編成じゃない分、いつもと違った表現力が問われるしね。それだけに「実力を知るバロメーター」にもなるわけ。前者では下山アニキや森川さん、金谷さん、ACE長官が、後者ではTERRA ROSA歴代ギタリスト…足立さん、三宅さん、広美さん…がそれぞれ独自のスタイルで聴かせてくれるし、両方やってしまう山本恭司さんという人もいる。これらの皆さんのライブがどれも素晴らしいのは言うまでもなかろう。

というわけで、さっそくレポ行きます!

TETSUYA MITANI'S AMADEUS

まず先攻は主催の三谷さんから。ここしばらくインストでのライブも何度かやってきたようだが、運悪く私は全く見れていなかった。病気、仕事、怪我というアクシデント続きで…
しかもそれまではカラオケ音源をバックにやってきたが、今回はバンド形態ということにも大きな期待が持てた。しかもドラムはMOONSTRUCK~旧EMERALD AISLES時代からの盟友であり、私としてはCONCERTO MOONで何度も見てきた「小さな巨人」長田昌之さんというから期待は更に高まった。
いやエメアイのライブでは何度か見てるんだけど、全編インストでどんなプレイを見せて聴かせてくれるのか…これがまさに期待以上!

千田さんが入ってからのエメアイはずっと鍵盤なしだったから、鍵盤奏者がいるのも新鮮だったし、しかもそれが若手のホープである三宅亮氏だったというのも大きなポイント。
近年はイェンス・ヨハンソンやジョーダン・ルーデスの影響下でシンセがメインの奏者が多いけど、ごっついオルガンをメインにしたセッティングで演奏する若手は岡田英之氏以来じゃなかろうか?

そしてベースは杉森氏の教え子である若い女性。という面子の中で開演したのだが、三谷さんのギターの音が聞こえてくると、どうも千田さんが出てきてあの雄叫びが幻聴のように被ってきてしまうのは仕方ないことであろうか?でもすぐに「ああ、今日はインストなんだ」ということで吹っ飛んで、歌がない代わりに存分に弾きまくるギターが耳についた。
それでなくても存分に弾きまくってるやんとも言えるが、荒々しく情熱的で、これまた三谷さん最大の特徴であり魅力である「楽譜を超越した凄さ」がたっぷり味わえた。
ついでに言っておくけど、高崎晃&中間英明という影響元のわかりやすい速弾きが特徴と思われがちな三谷さんだけど、それでいて自分の個性はしっかり持ってるし(いやどう聴いても三谷哲也以外の何物でもないギターですから)、バラードでの泣きも見事なのにも注目して頂きたい。

途中の、今流行りの(笑)人工知能でのMCを挟みながらのオリジナル曲連発も凄かったし、激しい速弾きのみならず、泣きも聴かせる表現力は見事。
各メンバーのソロでの聴かせどころも用意され、高崎晃ソロ、レインボーといった曲も出てきたりと盛り沢山!更には西村氏も呼び込まれてジェフ・ベックをやったり…元に忠実にやると誰がやっても滑ってしまうことの多いベックの曲だが、恭司さんがそうであるように、二人とも自分のスタイルで弾いていたのが好感持てた。

順番前後したかもだけど、ジミヘンの「VOODOO CHILD」のソロ部分でお客さんの有志にギターを回して弾いてもらうコーナーもあったり…これがまた皆さん上手くてびっくり!…やっぱり隠れてるだけで上手い人って多いのね。

そして再びオリジナルを3曲、結局2時間近くに至った三谷哲也のコーナーは終わった。

MAMORU NISHIMURA

先程少し触れた、「西村守が2人でややこしい」という話、実はFury of Fearの彼を私は最初、今回登場の西村氏と勘違いしていたわけ。外見が全然違うからすぐに「同姓同名の別人」とわかったんだけど、あちらさんも若さいっぱいの激しい速弾きで魅力なんだが、こちらの西村氏もAPHRODITEでおなじみのテクニカル・プレイで圧倒してくれた。
動きも激しく時には鬼のような形相で弾きまくる三谷さんに対し、西村氏は終始あんまり動かず、爽やかな笑顔で聴かせるのは意外にもクールなプレイではなく、非常に情熱的。

それに、どちらかといえばサポートに徹していた三谷さんのバンドと違い、こちらはリズム隊の2人も目立ちまくり。特にドラムのkegoi氏の凄さったら…ボンさん(懲りずに再びの)骨折でピンチヒッターとして出演したKRUBERABLINKAでもその凄みは味わえたし、メロデスのNo Limited Spiralでもバシバシと叩きまくる姿はこれまた凄い。しかし、今回みたいなフリーフォームな色が濃い演奏になると、俄然その凄さ…いや、とんでもなさが味わえるのね。ワンバス(ツインペダルは使ってるけど)にタムも少なめのシンプルなセッティングながら、手数足数とも凄く多いし、イメージ的には「ドーピングしたイアン・ペイス」か「ジャズも叩けるヴィニー・アピス」といったところだろうか?樋口さん亡き後、新たなドラム・ヒーローと呼べる存在がほとんどおらず(YOSHIKIは別世界の人だからここでは外させてもらう)、近年はCONCERTO MOONでの河塚篤史氏にその可能性を感じたが、kegoi氏はもっと若いし、これからを考えると更に可能性は大きいんじゃないかと思った。

そして意外だったのがベースの人。大川栄策みたいな顔(笑)の一見冴えないおっちゃんだが、実は凄いテクニシャンで、時にパワフルに、時にメロディアスに弾く様はこれも素晴らしかった。

最後に三谷さんを再び呼び込んでのギター・バトル、そしてアンコールなしで終わったという異例の構成でありながらも、6時過ぎに開演して全部終わったら9時半過ぎ…非常に濃い内容で、今回もまた大きな満足を得ることが出来た。

ギターのスタイルも全く違う二人なら、バンドの使い方もまるで正反対。でも通じるものはやはり「歌がなくてもこれだけ多くのことを表現出来る」ということ、そして情熱的なプレイ。ギターという楽器はまだまだ無限の可能性を秘めてるんだということを実感した一夜であった。

おまけ

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西村氏特製カレー。このハコじゃすっかりおなじみになってるけど、辛いながらも美味しいよ。ビールがよく進みます。翌朝ケツが辛いことになるけど(笑)。

LIVE REPORT:「Night Of The Fantasy 4」(TRIBAL SOUL/BEAM/ALEISTER/Shiny Pink)@京都・都雅都雅

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今回はあちこちでライブが被りまくった中、こちらを選んだのには大きな理由があった。

TRIBAL SOUL解散に伴う最後のライブ

メンバー個々の事情で一堂に会することが困難になってきたからという物理的な理由が大きいようだが、やはりその音楽が正当に評価されず、モチベーションを維持出来なくなったのもあるのではないかと思われる。
私はこのバンドの音楽を高く評価していた。年代の違いこそあれ、全員がハード・ロック/ヘヴィ・メタルの世界で名を上げた人たちながらも、その音楽はハード・ロックとはやや距離のあるものなのが興味深く、金谷さんが技量の高い人たちを配して今やりたいことがこれなんだ!というのが表現されていたし、そこに大きな可能性を感じていた。しかし、やはりこのメンバー…金谷幸久、哲哉、横谷渉、森本恵造…に求められるのはHR/HMなのか、ライブの動員もCDの売上も目指すところには遠かったのであろう。
特にライブの素晴らしさを知る身としては、ミニアルバムに収められた4曲以外にも素晴らしい楽曲があることを知っていたし、それらが新たな音源として発表されるのを期待していたのだが、形にならずに終わってしまうことが残念でならなかった。だから今回のライブは何としても行く!と決めていた。
あとの問題は仕事。いつも2日前に突然言い渡される休日出勤だから、今回も油断出来ずにギリギリまで出欠を答えられずにいた。でもそれも入らず、運良く行けることになったので喜々として京都まで足を伸ばすことになったのであった。

更に問題は私の足の怪我。もう普通に歩けるまでに回復したが、いまだ長時間のライブでのスタンディングや高低差のある寺巡りは辛い。なので会場が椅子のある都雅都雅というのはありがたかった。

じゃあもう、さっそくレポに行っちゃいます。

Shiny Pink

外道のOA等でおなじみになった、ギタリストのシン・マツウラ氏率いるトリオ。「他人の曲をオリジナルのように聴かせる」バンドと言っていた通り、オリジナル曲は作っておらず、古めの曲のカバーばかり。でも、70年代の楽曲を80年代的な音で聴かせるという独自のスタイルゆえか、単なるコピバンに終わっていない。各メンバーの技量も高いので聴きごたえも十分。今回驚いたのはクリエイションの「スピニング・トー・ホールド」だった。昔のプロレスも好きな私には嬉しかったよ。

ALEISTER

キャリアは長いが、最初からいるのはヴォーカルの女性のみ、しかも今回はリズム隊も変わったとのことで、ベースはよく見た顔だと思ったらこの辺では有名なRokuさん、そしてドラムはまだ21歳という若い女の子だった。
パワフルな歌声で、目指すところは鍵盤なしのテラ・ローザ?(それじゃ成り立たないというツッコミは無用)乱暴な例えをすればそうなってしまうが、楽曲の良さ、技量の高さには耳を惹くものがあり、特にドラムの女の子はかなりの腕前で、千里ちゃんや優羽ちゃんにも迫るほどの可能性を感じさせてくれた。

BEAM

こちらもおなじみの熟女バンド(笑)だが、各方面で活躍、巷の注目度もじわじわ上がってきているヴォーカルの直子さん、地味なたたずまいたがらも堅実なプレイのベース・金谷祐美さん、SG特有の粘っこい音が特徴のギター・みゆきさん、そして実はかなりの腕前でバンドの屋台骨となっているドラム・かおりさんのコンビネーションが見事。楽曲もバラエティに富んでいて、こちらも聴きごたえは十分。
毎度おなじみの愉快なMCを挟み、次々繰り出されるオリジナル曲は、アルバムになってないのがもったいないと思える。だからライブを見るしかないんだけど、本当にもっと多くの人たちに見てほしい、そう思えるものだった。

TRIBAL SOUL

そしていよいよこの日が最後のTRIBAL SOULとなった。
もうこのメンバーで集まることはない!と断言しているだけに、その気迫は凄く、いつも以上にテンションの高い歌と演奏が聴けた。そして、最後のライブとは思えないラーメンの話(笑)。

このバンドの音楽を表現するのは難しく、毎回苦労している。「ブルージーなハード・ロック」と書いた人もいたが、残念ながらブルース色は感じられないので、それは全く的外れというか、ちゃんと聴いていないことを露呈している。
じゃあ私がよく書いていた「リラックスした感じの音」というのも今となってはやはり的外れに思えてきた。それはFINAL FIGHT PROJECTやSecret JOKEのような「伝統的ハード・ロック」に対してであり、こちらだけじっくり聴けば高い緊張感で張りつめているのがよくわかる。
じゃあ、「洗練されたロック」?私はロックに「洗練」という言葉を使うのが嫌いであり、実際そういう角の取れた感じはせず、いい具合に粗さも感じられる。
もう、「成熟したアダルトなロック」とでも言うしかないのだが、それだって十分このバンドの全てを表現しきれているわけではない。それだけ他にはない個性的な音楽であり、だからこそ私は今のご時世でこういうタイプの音は聴けないからと、大きな期待を寄せていたのだ。

しかし、やはり今の日本で彼らのような人たちに求められる音はもっと激しいものであり、しかも極端なもの…X JAPANと聖飢魔兇靴一般層にまで認知されているバンドはなく、若いHR/HMファンにもアピールしなかったのかと思うと本当に残念で仕方ない。クリーンで抜けるような金谷さんのストラト、独自の歌唱法のさん、そして隙間の多い音を埋めるが如く存在感を発揮する横谷さんと森本さん…本当に心地よく、しかも凄みも十分な音楽だけに、もったいない!もったいない!そうとしか言えないのだ。

そして「YOUR SONG」で本編は終わるのだが…とても感動的なこの曲、まさに「名曲」と呼ぶにふさわしいものだし、今回は特に聴いてるこちらも涙が出そうなくらい感動した。

その後はアンコールでジェフ・ベックの「PEOPLE GET READY」…元々ベックの歌ものをやるバンドとしてスタートして、オリジナル中心に移行してきたのだが、原点に戻っての幕引き…もう本当に、関西ロック史に残るステージだったと言っても過言ではなかった。

…素晴らしい楽曲と歌・演奏を聴かせながらも十分に評価されたとは言えないし、もうライブを見れない、音源化されなかった楽曲がこのまま埋もれてしまうのはあまりに惜しい。だからせめて、唯一の音源であるミニアルバムはまだ手に入る内に皆さん買って聴きましょうよ。ゴミクズみたいな音が世間に溢れ、そんなくだらないものに騙されてドームに集まるバカが多い今のご時世だからこそ、こういう「本物」が認められる下地を作っていきましょうよ。

私はエイプリル・フールで某雑誌の関西在駐ライターとして、関西メタルの今を熱く伝えていく!という大嘘をついて大騒ぎになってしまい、それに怒ってた人もいたようだが、これは実際に私の願望でもあるんです。情報が東京に偏重する中、関西にはこれだけ良い音楽をやってるバンドがいる、それを伝えていきたいという気持ちは強く持っている。このブログも「私的ミニコミ誌」みたいな位置づけで書いていってるけど、知名度の高い媒体を利用してのアピールはもっと効果的だから、いつかそれが実現すればと思っている。
でも、現実はなかなかそうもいかず…だから「本当に良いもの」が認められるよう、地道なアピールは続けていきたいし、皆さんももっと自分なりのやり方でアピールしていきましょうよ、ねえ?

なんだかよくわからない締めくくりになってしまったけど、以上で今回のレポートを終わります。

LIVE REPORT:GALNERYUS @アメリカ村BIG CAT

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さて、今回は3連休最終日だし翌日は仕事だし、もうレポ書かなくていいでしょ?思って書くつもりはほとんどなかった。どうせ彼ら、私が今ここでプッシュしなくても人気者だし…
でも、ある方面からリクエストが入ってしまった。別に流してしまっても構わないんだけど、やはりここで書いておくべき意義があるだろうと思い直して「よし、書こう!」となった。

その理由の第一として…

関西のローカルバンドだった彼らが大躍進を遂げたことが後続の励みになること

私は彼らがまだスタート間もない頃、CONCERTO MOONの前座で見たことがある。当時のメンバーで残っているのはギターのSyuただ1人だけなんだが、心斎橋MUSEのステージで30分程度の出番、確かに当時から上手いとは思ったが、まだ個性も確立されておらず、それほど印象に残ったわけではなかった。
だが、メジャーデビューして初のアルバムを聴き、「大化けしたな」と思った。YUHKI、佐藤潤一という強力なメンバーにサポートされ、それが彼らの元々持ち合わせていたものを引き出したのか、Syu & YAMA-Bという当時の中核2人がそれまでの間に進化してきたのを後押ししたのか、とにかく「凄い」と言えるようになっていた。
そしてアルバムごとにその「進化」は更に進み、私が彼らのワンマンを前座時代と同じMUSEで見た頃には見違えるようになっていた。動員数も着実に増え、山さん最後のライブではMUSEが超満員で完売になったほど。後任に小野さんが入ってからも会場の規模はAKASO → クアトロと大きくなり、今や800人収容のBIG CATを埋めんばかり。もう最初からいるメンバーはSyuのみとなったが、彼の若い頃を知っている他のバンドマンたちには誇らしいようだし、今や彼らを目指してバンドを始めた若者たちも少なくない時代になった。X JAPAN、聖飢魔兇箸い辰燭箸海蹐亙未砲靴董LOUDNESSやANTHEMというベテランにも負けない実績を打ち出し、今や陰陽座(あちらは更に凄いところに来てるけど)と並ぶ存在になったと言えるだろう。

そして第二の理由として…

小野正利の「今」を知ってほしい

よく誤解されるのが、「小野正利が入ったから人気が上がったんだろう」ということだが、先述の通りそれ以前から動員数は右肩上がりになっていた。小野さんの加入はそれに拍車をかけただけのことである。
そして、当時の「小野正利」のネームバリューがどれほど有効だったか?ソロとしてレコ大の新人賞を受賞するほどの大ヒットを飛ばしたが、その後は低迷し、ものまねタレントとして食いつなぐような状態だった。HR/HMのオムニバスアルバムやイベントでその声を聴かせる機会はあったが、それが知名度の復活につながったとは言えない。
そして山さん脱退前に既に決まっていたイベントに助っ人参加してそのまま居座り、アルバムもライブもレベルアップ…バンド、小野さん双方にとって良い方向に作用したからに他ならない。歌唱力は高いものの癖が強くて好き嫌いを大きく分けた山さんより一般受けする小野さんの加入で、それまで二の足だったファン予備軍が一気に流れ込んできたからこその人気上昇と考えていいだろう。
そしてバンドの人気が上がるとともに、「え?小野正利って、あの?」という人たちも取り込んだ。J-POP時代を期待してぶったまげた人も多かったろうが、彼は元々「こちら側」の人である。「ザ・夜もヒッパレ」で聴かせた「移民の歌」の凄まじさは忘れもしない。ハードな音とのマッチングは予想以上で、今や小野さんが入ってからの方が期間も長く、アルバム数も多くなった。私は彼の加入初期にはヴァン・ヘイレンにサミー・ヘイガーが入ったような感覚を持っていたのだが、ああいう「出来上がったバンドに大物が入った」ではなく、双方が自然に溶け合っている、それが今の彼らなのだと思う。

おーっと、余談が長くなった。じゃあ本題に!

私は今回、諸事情でギリギリまで行くのを迷っていた。だが会社の同僚から「そりゃ行った方がええで」と背中を押され、それこそギリギリにチケットを購入、更にはこれまたギリギリで会場に入ったのだが、もう場内は人で溢れんばかり、だから後方で見るしかなくなっていた。
去年の「LOUD∞OUT FEST」で見てはいたが、ワンマンは結構久しぶりである。しかし、ライブの内容は本当に期待以上の素晴らしい、いやとんでもなく凄いものであった!

まずはセットリストの見事さ。まだツアー中だからネタバレ防止のためいちいち書かない…というか、実は彼らの曲と曲名が完全に一致するほど聴き込んでいない。私のレポをよく読んでる人ならおわかりかと思うが、曲名を詳細に書いているのは、恭司さんや岡垣さんといった一部の人に限られている。その辺の方々は間奏のフレーズまで暗記するくらい聴き込んでいるからなんだが、それ以外の多くは「雰囲気」しか書いてないでしょ?山下達郎や水樹奈々みたいなメジャーな人の場合は、翌日にはセトリがネット上で拾えるからそれを書き写しているだけのことである。

まあそれはいいとして、緩急の対比が見事に決まった選曲だったのは書いておきたい。速くて激しい曲と聴かせる曲のバランスが見事で、長丁場が予想されるにも関わらず、全くダレることも疲れることもなく聴き通せた。

そして歌と演奏の見事さ。元々超絶技巧の演奏とすば抜けた歌唱力のバンドだが(無駄に上手いと揶揄されることも)、Syuのギターは速弾きでは熱く、泣きは胸に染みる、それが更にパワーアップしており、もはや完全に大物の風格。
小野さんの歌声も絶好調で、高いだけでなく深い味わいも感じさせ、国内屈指のHR/HMシンガーとしての威力を見せつけてくれた。
キーボードのYUHKIさんのプレイも素晴らしく、ここまでの3人だけ見たらかつてのVOW WOWの中核3人に匹敵すると言えるのではないだろうか?
その分、リズム隊が割を食って目立たない?いやいや、超人3人を支えるには相当な実力がなければならない。彼らの働きももっと評価されるべきだろう。

何の曲をやったか全く書かないのも寂しいと思うからちょっとだけ…本編最後は大曲の「ANGEL OF SALVATION」だったんだが、こちらも何度かライブでやってるとはいえ、久しぶりに聴くとその完成度の高さ、と言うだけでは語り尽くせない凄みが感じられ、つくづくこのバンドの持つポテンシャル(珍しく横文字使ってみた)の高さを実感させられた。

さて、アンコールでまずは小野さんだけが出てきて話を始めるのだが、「確定申告」という単語だけで笑いが起きたり、車で警察の検問に遭った時にいろいろ尋ねられた話も面白かったんだが、これは詳しく書かない。当日行ってた人は思い出して笑って、これから行く人は現場で聞いて笑って下さい。

2回のアンコールも定番曲の連発だったが、これもまた大きく盛り上がる。やはり上手い上に良い曲を持ってるバンドは強いねえ。そしていつもなら3時間超えも珍しくないのに2時間半くらいで終わったんだが、非常に大きな満足を得ることが出来たのだった。

サミーの入ったヴァン・ヘイレンを例に出したけど、ロニーの入ったブラック・サバスに例えることも出来るし、山さん時代の方が好きなファンもいまだ少なからずいるので、どちらが好きか?ということではそれらに匹敵するかもしれない。山さん時代はもっと暗くて粗かったし、それに比べれば今は随分垢抜けて明るくなったように思う。私は元々の暗さ・粗さと小野さんの歌のバランスが見事だったアルバム「PHOENIX RISING」が好きで、それ以降は「ちょっと綺麗すぎるかな~」と思ってるんだが、それはそれで「正常進化」と思えばいいだろう。

それにしても、更なる進化を見せつけたこのバンド、どこまでそれが進むことやら、これからがますます楽しみになってきた。

気がついたら「レポート」と言うより「論文」になってしまった。でもまあ、今の彼らの凄さを知ってもらうにはこういうのも悪くないだろう。

ここで声を大にして言いたいのは、「こういう本当に上手いバンドのライブを体感して感性を磨きましょうよ」ということと、「今は小さなハコでやってるバンドでも大化けすることがあるから、光るものを感じたら早い内から追っておく方がいい」ということ。たとえ世間で人気があろうが、ゴミクズみたいな連中の多い今のご時世、やはり「本物」がきちんと評価されてほしいんです。それはファンにもかかっているんです。せっかく良いものをもちながら志半ばにしてその歩みを止めてしまうバンドも多いので、今「これは!」と思ったらそこからの応援が大事なんですよ!

これで終わったらほんまにライブ感のない、「ただの論文」になってしまうので、一応写真2枚ばかりどうぞ。

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これ、あかんやろうって?まあ、終演後なので良しとして下さい。

LIVE REPORT:CROWLEY @名古屋Electric Lady Land

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さて、今回はきちんとしたレポに出来るのか非常に不安である。なんせこのバンドの名前は知っていたけど音楽は聴いたことがなく、再結成アルバムでやっと触れることが出来たというくらい縁がなかったんだから。でもそのアルバムが良かったし(ほとんど昔の曲の焼き直しだけど)、しかもかつての活動期間中に発表したアルバムもリマスターされて会場先行発売されるというから、名古屋まで足を伸ばそうと決めたのだった。

そもそもこのバンドは83年に結成されて87年に解散してるというから、元々の活動期間は非常に短い。そりゃあ当時はBOW WOW~VOW WOWに熱中してて、あとはLOUDNESS、EARTHSHAKER、浜田麻里くらいしか日本のHR/HMはまともに聴いていなかったから、彼らの存在を知る由もなかったわけだ。
それがここ10何年かくらいで昔のジャパメタも掘り下げるようになり、やっとこさ彼らにたどり着くことになったわけで…いろいろ調べてると、おどろおどろしい歌詞と曲調、そしてライブでの演出が特徴ということを知ったが、じゃあ同時期にメジャーデビューしてた聖飢魔兇箸匹辰舛先なの?という疑問にぶち当たった。ほんま、時期が同じくらいなのでこれは当然出てくる疑問だろう。だが、もうちょっと前にSABBRABELLSがそういうことを始めてたので、おそらく両バンドともそちらを手本にしたのではなかろうか?まあ、海外ではアリス・クーパーとかMERCYFUL FATEとかそういうのはいくらでもあったので、結局3バンドとも「たまたま」似通ってしまったのかもしれない。

さて、このままじゃ前回のGALNERYUSの時と同様に「論文」になってしまうので(それはそれでいいと思うけど)、そろそろレポートらしいことを書いていこうと思う。

名古屋に着いてからまずはいつも通りあちこちのCD屋を回る。今回はHEAVENで収穫があったけど、別に今回のライブとは関係ないので詳しくは割愛。
開場時間が迫ってきて、ELL前には入場待ちの人が集まってくる。知った顔もちらほら。入場したらすぐに先行発売で今後一般流通されるものとは内容が異なるというCDを購入。
それからどんどん人が増えてきて、予定の開演時間を過ぎてもまだまだ入ってくる。かなり前にSHOW-YAを見に来た時より多いんじゃないかい?そんなこんなもあってか、20分くらい押しての開演となった。

荘厳なSEの流れる中、ドクロが肩に乗った十字架、ステージ中央に据えられた棺桶、その辺の諸々を触る三角頭巾の西洋黒子…そしてメンバーがステージに現れ、棺桶からヴォーカルさんが登場。それでも顔のメイクは目の周りとか一部に限られ、聖飢魔兇曚錨按譴靴討呂い覆ぁだが、その後に聞こえてきた音楽は実に素晴らしいものであった。

重いギターリフと重低音のリズム隊、それに乗るハイトーンのヴォーカル…どちらかと言えば聖飢魔兇茲SABBRABELLSの方が近いかな?というのが率直な感想。聖飢魔兇魯瓮鵐弌爾縫侫紂璽献腑鵑筌蹈奪ンロール志向の人もいて非常に音楽性の幅は広かったが(おっと、聖飢魔供椒侫紂璽献腑鵑NGワード?)、個人的には「譜面から大きく外れていない音楽」という印象だったし、「譜面から逸脱した熱さ」を感じさせるという点ではSABBRABELLSの方が近いように思う。だが単なる類似品ではなく、しっかり彼らならではの個性も感じさせた。

やはり元々80年代のバンドということもあって、おどろおどろしいコンセプトもわかりやすいし、曲もコンパクト。70年代のBLACK SABBATHみたいな本人たちが酩酊感を味わいたいがために演奏を引き伸ばしたのとも、90年代のCATHEDRALみたいにその雰囲気だけ素面の頭で強引に真似したのとも違い、重くて遅い曲ばかりじゃなく、速くて明快な曲も多い。
ホールには往年のファンばかりでなく、若い人の姿も結構目立ったが、今時の「トッピング全部のせ」みたいな詰め込みすぎのものが多い中、こういう音楽が新鮮に感じられるのかもしれない。

本編とアンコール2回で2時間弱のライブだったが、場内は非常に盛り上がって熱気に満ちていたし、終わった後の満足感もなかなかだった。

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ほんまはあかんのやろうけど、終演後ということで大目に見てやって下さい(懲りない奴)。

そのまま日帰りしようと思ったら出来るくらいの時間帯で終わったけど、もしものことを考えて宿を取っていたし、まあ今回はそれで正解だったかも。

それにしても、今回は反応が良かったからまたここでやりたいって…「東京・大阪でもやりたい」って言ってほしかったな。まあそれは今後に期待してみよう。

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これが再発された過去の音源と、無料配布の「DON'T BE IN A HURRY」新録日本語バージョン。
いくらリマスターされてるとはいえ、元が低コストだったからかやはり音の薄さはどうにもならなかったようで…
でも、それを吹き飛ばして余りあるのが制作当時の若さゆえの熱さだろう。
今は超絶技巧や録音の良さで「聴ける」けど冷たい感じしかしないものが多いが(GALNERYUSやMinstreliXは違うよ)、あの時代に他と違った個性を打ち出そうとして一生懸命だった作り手の熱意、そういうものが伝わってきた。

CROWLEYはこれまで私の中で特別大きな存在ではなかったし、そりゃ恭司さんや岡垣さんみたいな存在が「でん!」と居座っているから今後もそれは大きく変わらないだろうけど、わざわざ名古屋まで足を運ばせたのには「何かある」と思わせたからだし、そしてその「何か」は上手く表現出来ないけど、行っただけの、いやそれ以上のものはあったと確信させた。
ほんま大阪にも来て下さいよ、是非!私でさえ「また見たい」思ってるんだから、熱心なファンのことを考えたらね。

LIVE REPORT:大黒摩季 @大阪・オリックス劇場(2日目)

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さて、今回は元々書く予定じゃなかったので現地の証拠写真もなく、でもやっぱり書こう!と思った矢先に休日出勤が入ったために疲れたのやらテンション落ちたのやらで、今朝書きかけて途中で断念してしまった。
でも、一寝入りしたらなんとなく書けるかも?という気がしてきたので、とりあえず書いてみよう。

私がマキゾーのライブに行くのは4回目になるが、実は10年ぶりである。10年前も10年ぶり…そう、98年に大阪城ホール2回(2日連続で取れてしまったので)、08年に神戸国際会館1回、そして今回、というわけだが、大阪城ホールでやってた人がオリックス劇場…旧厚生年金会館?随分規模が縮小されたのね、まるでリッチーが抜けたパープルみたいやねと思いきや、今回は全都道府県をくまなく80ヶ所以上、それも1年以上かけて回るという、陰陽座もびっくりなもの。ファンの年齢層を考えて土日中心がいいとか、本人の体のことも考えてとかあるだろうが、言っちゃ悪いがとっくに旬を過ぎてしまった人にしては異様に精力的。それも各地でソールドアウトしてるってんだから、やっぱり待ってた人も多いのね。

そもそも私がマキゾーの歌を知ってはまったのは94年の「夏が来る」からだが、当時はZARD同様、TVに出ない、ライブもやらないという不思議な存在だった。でも本人は雑誌のインタビューで「ライブもやりたい」と言ってたし、結局それは97年頃に現実の話となった。
今みたいにネットも普及してなかったから最初のツアーは開催されてたことすら知らず、2回目のツアーで行けることになったのだが、アマチュア時代とかバックコーラスでの下積み時代とかに経験済みとはいえ、デビューしてからの現場叩き上げではなく、本人名義でのライブがいきなり大会場ってのは無理がありすぎる。確かに大阪城ホールでのライブは完成度も高く、選曲も良かったから満足出来た。でも、MCも含めて2日間全く同じ内容ってのはどうなのよ?と思ったのも事実。

それから「充電期間」(実際には休みなく働きすぎて疲れたからだったらしい)を挟んで復帰した時には、歌声の劣化と楽曲の質の低下が目立ち、だから私の中で彼女の占める割合はどんどん下がっていってしまってた。そう、今でこそ竹内まりや(この人は長いこと不動)・水樹奈々・鬼束ちひろが日本の女性シンガーの3トップだが、それまでは長いことマキゾーと坂井泉水がまりやさんと並んでたわけ。
そんな中でも2回目…神戸に行ったんだが、3時間の長丁場ながらも声は出てた方だと思うが10年前より明らかに衰えてたし、昔のヒット曲連発で救われていた感があった。

そして体調不良による再びの活動休止、しかも今度はかなり長い…坂井泉水も亡くなってたし、次々と気になる女性シンガーたちが出てくる中で、もはや私にとってマキゾーはすっかり「過去の人」になってしまった。
だが近年、諦めかけていた再復帰が実現。しかもCDになった新曲やTVに出演した時の歌を聴けば、全盛期には及ばないながらもいい感じで復活していた。これなら今後にも期待が持てるだろうと、去年から開催の全国ツアーでは行ける機会を狙っていた。そして今年になってようやく全ての条件が整い、まさに待望のライブが見れることになったのだった。

この日は朝から大雨で、そのため家を出るのが遅くなって会場に到着したのは開演ギリギリだから焦ったのだが、席はなんと1階の18列目。今までが後ろの方ばかりだったので、これは嬉しい。そして10分くらい押して開演となった。

まずはデビュー曲「STOP MOTION」が流れる中で当時から今に至るまでのいろんな写真が映し出される。で、この曲まるまる終わっちゃいました(笑)。そして幕が開き、バンドと本人の姿が現れ、「IT'S ALRIGHT」から本編がスタートした。
実はその後が驚きで…「DA・KA・RA」「チョット」「別れましょう私から消えましょうあなたから」「Harlem Night」「あなただけ見つめてる」「白いGradation」と、ヒット曲を年代順に披露。全て短縮バージョンだったし10年前にもこのパターンはやったけど、若かりし日の自分に戻れたような気がして嬉しかった。

そう、今回はツアータイトルに「中高年よもっと熱くなれ!」と付けられていることが示している通り、やはりファンも昔からの人がほとんどで、若い人の姿は非常に少なかった。もっとほのぼのした歌が受けている今、こういう熱い歌を聴かせる人の居場所はないんだろうなと思ったら寂しいが、総立ちとはいかないまでも立ち上がった人の多かったのは、やはり10年前のこのパターンが「新しい曲が盛り上がらないから」と思わせたのとは違い、懐かしい曲で若かりし日の熱い気持ちを蘇らせた人が多かったということだろう。

じゃあ次はあの曲?とはいかず、「ネッ!~女、情熱~」「アンバランス」「永遠の夢に向かって」を今度はフルコーラスで。やはりヒット曲を多く持ってる人は強い。MCを挟んでの「あぁ」、それに続くは某生命保険会社の社歌として作られた新曲だったが、そっち系のブラックな実態を知ってるだけに「こんなポジティブな歌詞でいいの?」と苦笑いしてしまった。

それから衣装替えのために一旦本人は引っ込んでバンドだけの演奏が披露され…バンドのメンバーも凄いんです。ドラムがLUNA SEAの真矢、パーカッションがスティーヴ・エトウ、は10年前と同じだけど、ギターが原田喧太って、これなかなかじゃないっすか?
で、次はバラードが1曲…実はあんまり馴染みのない曲で、ちょっと箸休め的な感じになってしまい、やはりマキゾーは元気な歌の方が力を発揮するんだねと思ってしまった。どうせなら「Stay with me baby」を聴きたかった…と思ってたら前日はそっちだったらしい(笑)。

さてそれから新しめの曲を2曲歌った後、最後まで突っ走る曲のオンパレード。「ゲンキダシテ」「Lie,Lie,Lie」「熱くなれ」「夏が来る」「いちばん近くにいてね」「Anything Goes!」って、曲名見るだけで息切れしません?本人の声が持つのかが一番心配だったけど、最高音になる部分を伸ばさずに切り上げてた以外はよく出てたし、涸れてもいなかったからそれは大したもの。そして「ROCKs」で本編が終了した。

アンコールはバラード1曲と、おなじみ「ら・ら・ら」。私は特別好きな曲でもないのだが、やはり場内は大きく盛り上がる。そして2回目のアンコールで新曲を1曲、3時間に及ぶライブは終わった。

…無理のないスケジュールだったこともあるだろうけど、本人の歌声が10年前よりよく出てたし、昔のヒット曲中心なセットリストには賛否両論あろうけど、私は素直に楽しめたし、新しい曲もしっかり聴きごたえあったのでそれはそれで良し。
歌声にゾクゾクする感覚というのはそれほどなかったが、それは昔からだし、そういう感覚というのは数えるほどの人しか味わえないから問題ない。でも「求心力」というのは確かにあるし、よく高音シャウトの迫力だけで語られてしまうけど、中低音の旨みがあるからこそ歌も生きるもので、年を重ねた分、その辺も深みを増していたのは意外な収穫だった。

まあ、歌詞はよく飛んだり間違えたりしてた(笑)。永ちゃんの言葉を借りれば「責任があるから飛ぶんだよ」なんだろうが、永ちゃんと違って自分で書いた歌詞なのに?まあ、坂井泉水もよく間違えてたからその辺はご愛嬌ということで。でもその分、生々しさは過去最高だった。バンドとの一体感やステージでの動き等、やはりマキゾーにはこういう場所がふさわしい!完全復活!おかえり!おめでとう!と連発したくなった。

終盤の長いMCでは休養から復帰に至るまでの話がされ、本人も涙ぐみ、こちらももらい泣きしそうになった。それをここで再現するのは不可能だけど、要約すればこんなところ。

「手術の後、もう大きな声は出せないと言われた。でも誰も私に癒しの歌なんか求めてないだろうし、それくらいなら作家に専念しようかと思った。でもやっぱり歌いたい一心でここまで戻ってこれた。織田哲郎さんや坂井泉水さんみたいな天才たちに囲まれて過ごしたから、いかに自分が凡人であるかを痛感してきた。でもただの凡人じゃなく、努力の好きな凡人だから、自分が思い描いてる、皆さんが求めてる大黒摩季になれるよう努力してるんだ」


「そこ違う!」というツッコミあったら入れて下さい。それにムカついたら削除しますから(笑)。
マキゾーを凡人だとは思わないけど、確かに鬼束ちひろみたいな狂気と紙一重の神がかった感じはしない。でも、やはり努力を重ねてあの栄光の日々があったわけだし、今もこうして待ってるファンが(かなり絞られたけど)多くいる、それが全てを物語ってるんじゃないか?今受けてるほのぼの系の女性シンガーでどれだけこんな長いこと支持される人がいるだろう?
私は今の水樹奈々やMardelasのマリナさんに昔の大黒摩季(ここでマキゾーと書くと重みがなくなる)を重ねて見聴きしている時がある。それぞれその人たちにしか出せない魅力があるから支持してるんだけど、一生懸命歌ってる、その姿と歌声が元気をくれるという意味で共通してると思ってくれたらいい。
そして別に彼女がその先駆者ではないんだけど、もはやベテランの域に入った今、これからも行けるとこまで行ってほしい、それをしっかり見届けるから、という気持ちになった。
次に見るのはまた10年後?いや、もっと短いスパンで見ておきたいな。

おまけ

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ボッス「快楽の園」は見たいけど…

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神戸でまたプラド美術館展やってるけど、この絵は持ってこないのかな?
それなら東京だけの開催になっても行くのに。
これ目当てでスペインまで行って、修復中で見れずに悔しい思いをしてから20年…

そう、あれから20年、日本から出ていない(^-^;

以前は「リベンジのためにもう一度行きたい!」思ってたけど、今じゃ「面倒くせえ~。日本に持ってきてよ」だもんな。
やっぱり海外は若くてエネルギーのある時に行くがいいよ。

LIVE REPORT:「Attack Of TRILOGY Vol.2」 @阿波座BIG JACK (Emerald Aisles/Kelly SIMONZ/Fury of Fear)

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お待たせしました、日曜のライブレポです。実はこれ、書くの2度目。1度目は最後まで書き上げたところで「決定」をクリックしたらエラーが出て全部消えてしまったので、再度のチャレンジというわけ。だから同じものは書けないけど、とにかく書けるだけ書いてみます。

今回は「日本一、いや世界一音数の多いイベント」の触れ込み通り、速弾きで知られた皆さん(「速弾きギタリスト」と一括りにしてしまうのは好きじゃない、実は)が集結してのイベントで、それぞれ何度も見て聴いてきて、各自が違った個性を持っているのはよく知っていた。
今回はソールドアウトとのことで、実際開演ギリギリに会場に入ったらもうかなりの人で、それでもぎゅうぎゅう詰めでないのは配慮がされているのが感じられた。既に前説が始まっててそれも終わろうとしていたから、「面白い話を聞き逃したかも」とは思ったが、それはあくまでおまけ。本領はあくまで音楽なので、それから間もなく始まった時には、期待が大きく膨らんでいたのだった。

Fury of Fear

この会場で三谷さん主催のイベントでは常連と言ってもいい若手バンド…とは言っても正規メンバーはギターとヴォーカルのみで、あとはサポート。ギターは(APHRODITEじゃない方の)西村守、ヴォーカルは西村直人という、同姓だけど別人で、更にはベースが守氏の兄であり本職はギタリストの歩氏という、非常にややこしい編成。今回いつもと違うのはキーボードがいることで、それが若手の有望株である三宅亮氏であるということも期待感を増していた。

今回は新作アルバムが出来たてほやほやということでそれも期待に輪をかけていたのだが、実際出てきた音の方は、オルガンが厚みを加えていたことだけでなく明らかに「バンド感」が増しており、それは2人の成長に伴うものであったことが感じられた。
守氏のギターは若々しく勢いに溢れたもので、ここで後2人との個性の違いははっきりする。新作からの曲もなかなかいい感じで、そちらの方もまたステップアップしてきたことがわかった。
これから大きく羽ばたいていくことが予感された。

THE EXTHUNDERS feat. Kelly SIMONZ

今回はBLIND FAITHじゃなくてこの名義、しかもその名はリズム隊2人のものというからこれまたややこしい。しかもその2人は兄弟、ヴォーカルはケリーさんが兼任だから、山本恭司さんのWILD FLAGを連想するが、もちろん音楽性は全く違う。

ここしばらくのアルバムでYAMA-Bをヴォーカルに迎えてのコラボがなかなか良く、ライブでもそれは味わえたのだが、やはり彼のギターには本人の歌声が一番しっくりくるようだ。
そして彼のギターが他の2人と違うのは「優美さ」「味わい深さ」だろう。もちろん激しく荒々しく弾くこともあるが、それでもなぜか優しく心に入り込んでくる、そんな感覚があるのだ。

元々音楽性も幅広いことからか、曲調もバラエティに富んでおり、持ち時間も一番長かったけど疲れることもダレることもなく聴き通せた。
なお、MCが面白いのも売りだからそれも書きたかったけど、もう覚えてないので割愛。

Emerald Aisles

そしてトリは三谷さん率いるここのハコバン(笑)。すっかり不動の「顔」となった千田さんのヴォーカルに、今回はリズム隊が木本さんと長田さん…かつてCONCERTO MOONでもタッグを組んでいた2人。あのバンドではアルバム「RISE FROM ASHES」とその前後のツアーくらいでそんなに長い間でもなかったのだが、あまり評判の芳しくないあのアルバムも私には結構良いと感じられたのは、2人のコンビネーションが他の3人を刺激して、演奏面が非常に充実していて楽曲の弱さを補っていたからに他ならない。

だからこちらでもそれがどういう効果をもたらすかが楽しみだったのだが、三谷さんの鋭角的で攻撃力のあるギター、千田さんの熱いヴォーカルを刺激して、バンド全体の底上げに大成功していたのだ!

もちろん引き立て役としてのみならず、個々のプレイが素晴らしいことは言うまでもなかろう。
長田さんはあの小さい体のどこから出てくるのかと思えるようなパワフルさ、にも拘わらず千田さんにはまるで池乃めだかのような扱いを受けてるし(笑)。
木本さんはプレイもアクションも激しく華やかで、私が「VOW WOWがまたライブをやるなら木本さんがベースを弾いたらいいのに」と思ったのも大袈裟ではないくらい。もっと大きな会場が似合うプレイヤーだと思うんだが、そんな人をこんな至近距離で見れるのはある意味非常にラッキーと言えよう。

なお、今回は最初からスモークが焚かれており、それが度を超えたために火災報知器が鳴ってしまったが、それすら良い演出に思えたほどだった。

セッション

まずはケリーさんが加わって、ジョン・サイクスの「PLEASE DON'T LEAVE ME」という、意外といえば意外な選曲。イントロからの泣きのギターも2人のハモりが見事に決まっており、やはり良い曲は名手が奏でるとその輝きを増すことが実感された。それから守氏も呼び込まれてイングヴェイの「TRILOGY」他1曲披露され、この日の熱い宴は全て終わった。

…ともすれば「速弾きギタリスト」と一括りにされてしまいがちで、特に70年代リアル体験世代には鼻で笑われそうな傾向があるが、それぞれが違った個性を持っているのは実際見て聴けば明白で、イングヴェイとインペリテリの違いがわかるくらいの人なら理解頂けるだろう。
そしてよく言われるような「情感の欠如」ということも全くなく、喜怒哀楽の感情を大きく刺激するものがある。島さんとかSyuあたりもそうだけど、その辺がそれこそ量産型ザクみたいな本当の「十把一絡げ」みたいな連中とは大きく一線を画しているのだ。
それぞれが己の道を信じて突き進んでほしい、改めてそう思った。

おまけ

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こちらがFury of Fearの最新アルバム。興味を持たれた方はまずYouTubeとかでチェックしてからでもいいのでどうぞお試しあれ。その価値はある優れものです。

LIVE REPORT:KRUBERABLINKA @阿波座BIG JACK

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昨日のレポ消滅事件の影響が大きく、結局リベンジは果たしたけどおかげでいつもの倍疲れたから、今回はもう書かずにおこうか?とも思った。が、やはりそこは毎回私に「書きたい」という衝動をもたらしてきたこのバンドなので、今回も書かずにはおられなくなった。

まず心配だったのはボンさん。2年連続で骨折のために欠場、代役を立ててのライブというのが続いた。なので、去年はちゃんとそのポジションにいたとはいえ、事故がいつもこの時期だったので今回も「大丈夫かな?」という懸念はあったのだが、今年も無事にいてくれたことに大きく安堵した。

そして今回は新作のレコ発。一部既にライブでは披露されている曲もあるが、もしそちらからの曲をメインにやるのなら、大半「知らない曲」という、まるでマイケル・シェンカー・グループ初来日の時に当時のお客さんたちが味わったであろう感覚になるのではないか?そして実際その予想は当たったため、皆さん期待してるであろう詳細な曲目は割愛。ということで非常に大雑把なレポートになると思うが、とにかく書いてみます!

近年は上本町の「U6」でワンマンということが多く、餃子をつまみながらビール飲んで、休憩をはさんだ2部構成というのが定番になってきてたため、椅子が出されていたとはいえ、この会場で見るのは久しぶり。というかこのバンドのライブ自体が昨秋の大阪城野音以来のため、待望久しいものだった。

そして定刻を少し過ぎて開演するのだが、まずは改めてここの音響の良さを実感した。スピーカーの前とか最前列の方はどうだかわからないが、私が座った客席後方の真ん中あたりのポジションでは、各楽器のバランスが非常に良く聞こえ、他の会場でありがちな「音が団子になってグシャグシャ」ということもなかった。狭いにも関わらず著名な方々がここを愛用している理由がわかった気がした。

で、いきなり新曲が連発され、やはり最初はそれに戸惑いながらという状態だったのだが、良い曲が多かったためか、聴くのは初めてながらも自然に体がリズムを取って動いているという感じになってきた。
ただ、赤尾さんの歌声はあまり調子が良くなかったようで、高い部分は明らかに出ていなかった。それでもがっかりすることのなかったのは、中低域という「土台」までアウトになっていなかったのと、出ないなら出ないなりの歌い方で対処していたこと。この辺は長いキャリアのなせる業、だろう。

「新曲ばかりで何のこっちゃわからんのも困るから、古い曲もやります」ということで間に披露されたのは「ピエロの心臓」「夜光虫」「ズールースーツ」「帳」といったところ。改めて思ったのだが、テラ・ローザの様式美を引き継いだ音楽性と言われることが多く、確かに最初の頃はそれも間違いではなかったのだが、アルバムやライブを重ねるごとにどんどんそれから離れてバラエティに富んだ曲想が多くなり、それは後半に入って再び新曲の連発になってはっきりするのだった。

キーボードなしの4人編成になって久しく、それによる音の隙間を埋めるためか赤尾さんがパーカッション各種を鳴らすことが増えたが、今回披露された新曲の中では演奏陣のソロが大幅に押し出される場面もあり、もはや「様式美」とは程遠い、むしろ自由奔放さが強く感じられた。
そう、例えて言うなら、80年代に入って「様式美」「正統派」「LAメタル」などと分類されるより前、ハード・ロックはハード・ロックでしかなかった70年代のフリーやハンブル・パイあたりに近い感触を覚えた。
もちろんそれらのバンドより音数は多いが、程よく隙間のある音と、それゆえに各楽器が自己主張するあたりが共通していると感じたのだ。だからここでの赤尾さんは、「日本の女ロニー」ではなく、むしろ「日本の女ポール・ロジャース」な感じに思えた。演奏陣がそうして奔放に暴れているのに触発されたのか、声も通りが良くなって高音までバコーン!と出る場面もあったのには驚いた。

そして各メンバーの自己主張が対等…他の3人と違って一度もメジャーデビュー経験のないボンさんが広美さん・鎌田さんと拮抗してたというのは特筆すべきだろう。元々凄腕の持ち主だが、今回は特に力強さ、テクニック、その両方が改めて思い知らされた。
最新作はクリックを使わずにライブに近いナチュラルな感じで録音されたそうだが、赤尾さんいわく「昔の、メンバーが気持ち良くノッてる状態だからこその曲が始まった時と終わる頃のリズムの速さが違ってくるような感覚」を大事にしたかったからだそうで、私にはそういう細かい違いまでは判別出来ないものの、大筋はリズムをキープしながらもそういうノリが出せるということで、どんなに事故して穴をあけようがボンさんが不動の屋台骨として待たれていたのがわかった気がした。正確なだけで人間味の感じられない●田原さんとか小●原さんとか小田●さんとか(おいおい)とは全く違うってこと。

あ、そうそう。赤尾さんのMCがウケたりすべったりはいつもの通り。そして「Don't be so mad」で本編は終わった…って、曲違ったらごめんなさいね。今回は走り書きもしてこなかったもんだから。

アンコールの呼び出しに応えて、今回は2曲が披露された。久しぶりの「海図」、そして「案外」。椅子がなくて立ってる人以外は誰も立ち上がらないながら皆の気分が高揚しているのがはっきり感じ取れたように思えた。これで全編が終了。

…あら、大雑把ではありながら意外と書けてしまうものだね。それだけ「駆り立てるもの」がある、つまり実力の証明ってことなのだ。
歌謡曲テイストの新曲を歌う前に「この曲で来年の紅白狙う」なんて赤尾さんは言ってたが、それはなくてもこういう真に実力のある人たちが売れない現状は理不尽と言うしかない。ハード・ロックが主流になることはない?いやいや、X JAPANや聖飢魔兇鮓なさいよ。ロック聴かない人でも名前くらいは知れてるし、大会場をすぐいっぱいにしちゃうでしょ?
もちろん彼らは「極端さ」が武器になってるからでもあり、その辺に比べたらこういう古典的なバンドは地味に思えるのかもしれない。でも、あちこちで何度も書いてるけど、話題性だけで中身の伴わない連中が売れてる昨今、こういう「本物」をわかってくれる人が増えてほしい、それは切実な願いなのだ。

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こちらが最新作「THE DEEPEST PLACE」。このレポに取り掛かる前に一度聴いたけど、これいいですよ、凄く。
様式美とそれ以外の新しい路線の混在した1st、それを拡大した(と思える)「海図」、更に新しい領域に踏み込んだ「ブランコ」、メタリックな(と思える)「コニカリファイ」と来て、今回は70年代的な風味に加えてまた新たな路線もあり、かなりの意欲作であると断言してもいい。それまでの作品なら「海図」が一番好きだった私だが、今回のはそれに負けないくらい良いと思った。
今月20日には一般発売されるので、テラ・ローザが好きだった人も、とにかく赤尾さんの声が好きな人も、もしくは他のメンバーの誰かの演奏が好きな人も、そして「本物」に飢えてる人、これは「買い」だよ!私が太鼓判押します!

LIVE REPORT:「Three Side Show」(STARLESS/KRUBERABLINKA/Primavera) @心斎橋soma

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お待たせしました、日曜日のレポです!

今回はSTARLESSの久しぶりのライブということで非常に楽しみだった。10年くらい前は活発にライブやってたからよく見に行ってたんだけど、制作期間に入るから(と聞いたはず)ということでお休みするとなってから新作も出ることなく月日は流れるばかり…
そして前回が6年ぶりのライブということで、浪漫座とのツーマンでありながら結構な時間やってたんだっけ。あの時は平山さんとか一晃さんとかもりけんさんも出演して、1st「銀の翼」再現+αな濃い~内容だったなあ…スタンディングで場内パンパンだったし。
それから再び4年が経ち、その間も「次はいつになるんだ?」と思い続けていたのだが、ようやくそれは現実のものとなった。

さて、それじゃさっそく!

Primavera

いろんなとこで活躍してる女性キーボーディスト・山内めーさん率いるバンド。めーさんの他にヴォーカルとベースが女性で他2人が男性、その内リズム隊はサポートということだったが、基本はプログレでありながら適度にポップ、適度にハードな音は耳になじみやすく、各メンバーの技量もなかなかのもの。めーさんは演奏以外にコーラスも担当してたが、金谷さんのURIAH BEEPでも聴かせたハイトーンがなかなか強烈。

KRUBERABLINKA

1週間少し前にワンマンを見たばかりで、もう再びお目見え。今回唯一鍵盤なしで、純粋な?ハード・ロック。
前回調子がもうひとつだった赤尾さんがちょっと心配だったが、今回はそれが嘘のように凄い迫力(いや前回も迫力は十分だったんだけどね)で高音も出ており、最初の「ブランコ」からそれはたっぷり味わえた。そして前回はリズム隊の奔放な演奏が強烈に印象に残ったのだが、今回は広美さんのギターの音・フレージングが心地よく、古い曲は「ピエロの心臓」と「帳」だけで残りは新作からだったが、このバランスが見事。ギュッと凝縮された内容ながら、かなり濃い~時間を満足出来たのだった。

STARLESS

そしていよいよ今回の真打。もうすっかり竹内まりやみたいなペースになってしまったので、バンド全体のまとまりとか、特にこういう場所に全く出てこなかった中川さんと上村さんの演奏がどうなのか心配ではあったが、それは全く杞憂というか、心配、いや期待をはるかに上回るものが聴けたのだった!

まずはいきなり2作目…寿太郎さんと中川さん以外違うメンバーの…からの「Song of Silence」。だから最初は戸惑ったものだが、それが終わると間髪入れずに「銀の翼」。いやー、やっぱりこの曲は燃えるね。中川さんのギターも上村さんのキーボードも、空白期間なんかあったの?というくらい見事なもので、バンド全体としても更にレベルが上がってたのではないかというくらい。

それから「南へ」「WISH」「CLOSER」という、新しめ(と言っても10年以上前)だったりレアだったりする曲が続くが、それにしても今回はマイさんの歌声の凄さを改めて実感した。赤尾さんが「とんでもない」歌い手なので、その後じゃ分が悪いかと思いきや、逆に刺激されて秘めていた凄みを引き出されたかの如く、APHRODITE等で聴かせるよりも更に「とんでもない」ものを聴かせてくれた!

元々癖の少ない、どちらかといえば滑らかな感じの歌声ゆえ、良く言えば非常に聴きやすい、逆に言えば初代ジュラ(宮本佳子)さんのような強烈な個性に関してはやや弱いか?と思っていたのだが、かなり高いところまで声が細くなることもなく、地声のまま歌い通すという離れ業をやってのけたのだ!

それは終盤2曲「DAZZLING DESIRE」「章末」でも顕著で、マイさんなりの完璧なものを聴かせ、「さすが!」という思いで本編の終わるのを迎えたのだった。

アンコールでまず披露されたのは「瞳の奥に」。これこそジュラさんのイメージが強く、冒頭部分のファルセットが曲の印象を決定づけていたのだが、マイさんはそこも地声で、歌詞の乗らないスキャット以外にファルセットを使うことなく自分のスタイルを貫き、荒木真為こそがこのバンドの看板声!というのを強力にアピールした。そして「明日の影」で全編は終了した。

マイさん、寿太郎さん、堀江さんはいろいろ告知もあったが、他のお二方は何も予定がないようで、特に中川さんのアコースティック・ライブが何気に好きだった私には「それもまたやってよ」と言いたくなったのも事実。
それにしても、大久保寿太郎・堀江睦男という日本屈指のリズム隊を軸にした演奏陣は強力で、更に今回その底力を見せつけてくれたマイさんの歌声が乗ればもう、本当に凄い、いや「とんでもない」バンドだと言うしかない。
次がいつになるのかは全く読めないが、是非今度はそんなに長いスパンをあけずに見たい、そう思わせてくれたライブなのだった。
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