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Channel: 屋根裏部屋のグダグダ文化論
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LIVE REPORT:井上陽水(大阪フェスティバルホール2日目)

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 さーて、皆さんお待ちかね?陽水レポでございます。まだツアー中なのにネタバレさすなって?いやあ、毎回少しずつ、時々かなりの割合でセットリスト変えてるみたいだから、別にいいでしょ。それでも「この後行くから知りたくない」言う人は読まずにスルーして下さい。

 前日のイベントがあんなに激しくて楽しいものだったから、ほんま体力の消耗が激しくてねえ…それでも夜中に起きてレポ書いて、ちょっと寝て昼前には出発してたのよね。藤井寺の葛井寺に藤の花を観に行って(言葉遊びみたい)それで心を癒して、近くの某たこ焼き屋で腹ごしらえを済ませ、そして2時過ぎにはそっちを出発って、相変わらず慌ただしいな(笑)。
 なぜそんなに早かったかと言えば、今回の開場・開演も早かったから。3時開場の4時開演って、何年か前に行った氷室京介もそんなんだったけど、いくら日曜だからつっても、ほとんど演歌の「昼の部」みたいやん。
 でも、今回はいろいろ特別なものだったから、ほんま楽しみだったんよね。
 まずはフェスティバルホールの新装記念の一環としての意義もあるし、私としては新フェスに行くのも初めてだし、それに陽水のライブ行くのも10年ぶり(ちなみにその時もこの会場だった)…特に新フェスでの開催ということに意義を感じてた人も多かったようで、チケットは27・28の両日ともに完売だとか。それでなくてもこの人のライブは人気が高く、私も先行予約でどうにか取れたってくらいだから。

 さて、新しくなったフェスティバルホールの「入口」。

イメージ 1

 皆さん、建物の全景の写真がほしいなあって思うでしょ?でも肥後橋の駅から直通の出口から出てきたもんで、全景を写せるような撮影ポイントまではかなり歩かなきゃいけないし、それも大変だからまあいいかってことで。

イメージ 2

 額の方が広くなったような?いや昔からこのくらいだったかも?

 ところで、今回驚き?だったことは、物販に売られてたのがCDとDVDだけだったこと。ツアーパンフとかタオルとか、そういうグッズは一切無し。まあ、この人のライブでタオルも必要無かろうし、缶バッジやキーホルダーとか作っても、誰が買うんだってことだろうし。

 そんなわけでいよいよホールに入るわけだけど…さすがに新しいだけあって綺麗だよなあ。昔はもっと縦長だったような記憶があるんだけど、奥行きを減らして横に広げたような?既にここでクラシックのコンサートを観た人の話では、「演奏よりも歌が生きるような音響」だったらしいから、まあ今回みたいなのにはピッタリじゃない?

 そして開演時間が近づくにつれてどんどん客席も埋まっていくんだが…何ですか、この年齢層の高さは。若い人の姿なんかほとんど見かけず、私の周りもおっさん・おばはんばっかり。まあ、陽水本人の年齢を考えたらそれも仕方ないんだけど、若いファンも多いらしいとは言え、生歌まで聴こうとは思わんのか?

 さあ、定刻の4時を迎え、何度目かの諸注意のアナウンスが流れ、ついに開演と相成った。

 場内が暗転し、まずはバンドのメンバーが入ってくる。それぞれが定位置に着き、陽水登場の時には大きな拍手が。そして始まった1発目は…「闇夜の国から」!
 いきなりこの曲できますか~。で、本人の歌声が入ってきたらもうこれが鳥肌もの。あの年でも衰えない声はほんまに驚き。
 その後は「断絶」を挟んで、これまたまさかの「心もよう」。10年前にも聴いたけど、あの時はもっと後で歌ってたし、こんな早く歌われるとは思わんかった。

 ここでMCになるんだけど、この人はそんなに喋らないながらも何気ない一言で笑わせるといった印象が強かったのに、何だかよく喋ってた。10年前とえらい違いやなあ…話自体は特に意味のある内容でもなく、適当に思いつきで喋ってた感じだったけど、それにしてもいつの間にこんな喋るようになったんだろう?ってな感じだった。何気ない一言に笑いが起きるのは相変わらずだったけど、「そこで笑いますか」ってな場面も多かった。

 「女性に提供した曲を2曲歌います」と紹介されて歌ったのは、「ダンスはうまく踊れない」と「飾りじゃないのよ涙は」。どちらも原曲とかなりアレンジが変えられていたが、これはこれで面白かった。

 その後は「目が覚めたら」「5月の別れ」「いつの間にか少女は」と続くんだけど、私の好きな「5月の別れ」は良かったなあ。
 それに続いたのは、まさかのカバー曲「I'M NOT IN LOVE」。よく知らないけど何となく聴き覚えのあるこの曲、10ccの曲だとか。

 さて、その後にはまたMCになるんだけど、これがまた結構長くってねえ…
 「最近新曲が無いってよく言われるんですが、次は新曲です。そう言っても僕の持ち歌じゃないんですが。うちの娘(依布サラサ)が九州のラジオ局で、ご当地のテーマソングを作ってくれって依頼されて、僕に作ってくれないかと言ってきて、『そんなの、山とか川とか屋台とか、それっぽい言葉を並べて作ったらいいじゃん』と言って、僕自身は最初作るつもりじゃなかったんだけど、適当な言葉を並べてみたらそのまま曲も出来ちゃいましてねえ…」
 そして歌われたのは、「キャッホー」という曲だったのだが、確かにそれっぽい言葉を並べて適当に作ったと言いながらも、随所に九州の方言も盛り込まれたり、なかなか面白かった。

 次の曲は皆さんお馴染みの「リバーサイド・ホテル」。ドラマに使われて大ヒットしたのはどのくらい前だっけ?でも私はそれより随分前、この曲が出た時から気に入ってたんだよね。でも、この曲を歌う時にアコギを弾きながら歌うのはどうかと思った。当時の雑誌のインタビューで「わざとスカスカの音にした」言ってたのに、アコギの音はちょっと邪魔だったかも。
 それから「映画に行こう」「バレリーナ」という渋めの選曲が続き、その後は沢田研二に提供して自身でも歌った「Just Fit」。これも好きな曲だから嬉しかったけど、ギターが妙に上手いのが気になって、「誰?このギタリスト」思ったんだが、まあそれは後々わかることで。

 「次は個性的な曲で…まあどの曲も個性的なんですが」と言って笑いを取り、「ビルに入ってるテナントのことを歌っただけの歌です」言われて、あれか思ってたらやっぱり「ビルの最上階」。こういう意味不明だったりそもそも意味の感じられない歌詞が多いのもこの人の個性なんだけど、歌詞にメッセージを込めて「これでもか、これでもか」とゴリ押しする人を鼻で笑うかの如く、大した意味を持たせなくても歌声だけで魅了してしまう、それがこの人の凄いとこなんですよ。つーか、ほんまに凄い歌い手ってのは声だけで魅せてしまうもんだってのは、常々私が力説してる通り。

 さあ次は独特のリズムと本人が吹くハーモニカ。大方の予想通り「氷の世界」だった。ただ、こういう若い頃に作った曲は高音を出し切るのが結構辛いみたいで…でも、フェイクしながらも結構な高音を捻り出していたよ。
 そして「積荷のない船」をしみじみと歌い、ここで本編は終わった。

 盛大なアンコールの拍手に呼び出されてバンドのメンバーとともに再登場。「新装開店されましたフェスティバルホールにこの歌を贈ります」と紹介されたのは「Happy Birthday」。それまでおとなしく座ってた観客の中から、少しずつ立ち上がって手拍子する姿が見受けられてくる。そして続く「夢の中へ」ではかなりの人数が立ち上がって手拍子。さすがに総立ちとはならなかったけど。

 ここでバンドのメンバー紹介。「キーボード:佐藤準、ギター:長田進、ドラム:山木秀夫、ベース:高水健司、そしてピアノ:小島良喜」…凄いメンバーを集めたもんだ。で、ギターの長田さんは佐野元春や浜田省吾のライブでも弾いてたんだが、そりゃ上手いはずだわ。

 これで終わりではなく、もう1曲歌われたのは「少年時代」。CMとかで耳にタコが出来るくらい聴いてるし、カラオケで歌う人も多いから新鮮味も無いベタな選曲だと思いきや、本人の生歌はやはり素晴らしい。ここまで感動的な歌だったのかと改めて思った。しかし、私の後方のおばはんがヘタクソな鼻歌で一緒に歌ってたのが邪魔でねえ…私はそれが聞こえないように左耳を指で塞いで陽水の声だけ聞こえるようにしてた。しばらくしてその鼻歌も止んだけど、一緒に歌っていい歌といかん歌があるんだから、それはもっと考えてほしかったなあ。

 これでほんまのほんまに終わったんだけど(一部の公演ではその後もアンコールが止まず、「いっそセレナーデ」を歌ったという話も)いやしかし10年ぶりだというのに歌声はまるで衰えてないし、なんせよく喋ってたのが意外で面白かった。他に聴きたかった歌はいくらでも出てくるけど、長いキャリアで多くの歌を発表してきた人だから、絞り込むのも大変だったと思う。「あれも聴きたい、これも聴きたい」という人は各地を遠征して回るしかないようですな(笑)。

 さて、4時に始まったもんだから終演も6時過ぎと早く、まだ外は明るかった。

イメージ 3

 こんな具合に。何だか調子狂うなあ…でも充実したライブだから良かったってことで。

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