さてさて、昨日のレポ行きます。
一昨日はあまり動いてもいなかったので昨日の朝も筋肉痛は湿布貼ってどうにかしのげるくらいの状態だった。天気も良かったので、じゃあ「あれ」行くか「あれ」ということで昼前の適当な時間に出発した。
阪急に乗って茨木市駅で降りて、大通りをまっすぐ歩いたら会場に着くそうなのでひたすらまっすぐ歩いていったら、会場の中央公園が見えてきた。ちゅうことで早速…
阪急に乗って茨木市駅で降りて、大通りをまっすぐ歩いたら会場に着くそうなのでひたすらまっすぐ歩いていったら、会場の中央公園が見えてきた。ちゅうことで早速…
すぐによく知った皆さんと遭遇。ステージ前の席を取って座ってしばらくして、特別枠の出演者の出番となった。
さて、この「麦音FEST」は今回で4回目だそうだが、各地のビールを飲める祭りということでいろんな地方の地ビールの出店が並び、料理の方も豊富だったのでずっと飲んで食べてを楽しんでいた(笑)。
そうしている内に私の座ってる周辺に馴染みの皆さんが集まってきて賑やかになってきた。ちゅうことでいよいよお目当てのバンドが続くことになるのであった。
そうしている内に私の座ってる周辺に馴染みの皆さんが集まってきて賑やかになってきた。ちゅうことでいよいよお目当てのバンドが続くことになるのであった。
MUTHAS PRIDE
私はいつもライブ中にステージの写真は撮影しないんだけど(基本的に撮影禁止が多いからだし、許可が出ていても滅多にやらない)、野外だし大丈夫そうな雰囲気だったので何枚か撮ったんだけど、ステージ全景を1枚だけ披露ということにします。
実は結構久しぶりのこのバンドなんだけど、前日の若くて元気のあるメタルな皆さんとは打って変わって渋い大人のハード・ロック(私はその辺あまり区別しないけど、このバンドはそう呼ぶのがふさわしい)で、ハードな曲からバラードまで緩急のメリハリがあってじっくり聴き込める。
最初の曲から筒井さんのオルガンと永守さんのギターのバトルがあったりで、各メンバーのキャリアゆえの確かなテクニックとまとまりのある演奏が聴けた。そんな中で南さんの歌声は非常にパワフルで深みがあり、去年の某ライブで某ギタリストさんの音がデカすぎてかき消されていた時と全く違い、音のバランスも良かったために本来の歌唱力を存分に味わえた。
歌そのものはメッセージ性の強いシリアスな歌詞が多いながらも、MCでは「歌う前から飲んだらちゃんと歌われへんから我慢しとんねん」などと笑いを取る。次に歌う曲を紹介する時にも「イメージと全然違う、気持ち悪い歌を歌います」なんて言いながら、確かに照れ臭いような歌詞ではあるが、そんな気持ちになることもあるだろう?というバラードを歌い上げる様は見ていて惚れぼれした。永守さんのギターをメインに聴かせるインストを挟んで、南さんの故郷である長崎が原爆投下の地であることにちなんで平和への祈りを込めた歌を歌ったり、曲が始まるとすっかり惹き込まれる。今回披露した曲の多くは現在レコーディング中の新作に入るそうだが、その完成が非常に楽しみになってきた。終盤で某店からステージにビールがふるまわれて乾杯、そしてラストの曲もカッコよく決まって約1時間のステージは終わった。
最初の曲から筒井さんのオルガンと永守さんのギターのバトルがあったりで、各メンバーのキャリアゆえの確かなテクニックとまとまりのある演奏が聴けた。そんな中で南さんの歌声は非常にパワフルで深みがあり、去年の某ライブで某ギタリストさんの音がデカすぎてかき消されていた時と全く違い、音のバランスも良かったために本来の歌唱力を存分に味わえた。
歌そのものはメッセージ性の強いシリアスな歌詞が多いながらも、MCでは「歌う前から飲んだらちゃんと歌われへんから我慢しとんねん」などと笑いを取る。次に歌う曲を紹介する時にも「イメージと全然違う、気持ち悪い歌を歌います」なんて言いながら、確かに照れ臭いような歌詞ではあるが、そんな気持ちになることもあるだろう?というバラードを歌い上げる様は見ていて惚れぼれした。永守さんのギターをメインに聴かせるインストを挟んで、南さんの故郷である長崎が原爆投下の地であることにちなんで平和への祈りを込めた歌を歌ったり、曲が始まるとすっかり惹き込まれる。今回披露した曲の多くは現在レコーディング中の新作に入るそうだが、その完成が非常に楽しみになってきた。終盤で某店からステージにビールがふるまわれて乾杯、そしてラストの曲もカッコよく決まって約1時間のステージは終わった。
それから私の周辺はますます賑やかになってきた。私は相変わらず飲んで食って(笑)最終的にビールは5杯飲んだ計算になる。でもコップが小さいこともあって大して酔いはしなかった(ほんまか?)。そして次のお目当ての出番となった。
浪漫座
関西プログレ界の重鎮・中嶋一晃さん率いるこのバンドも随分久しぶりに見るが、こういう晴天の野外フェスが似合わない(笑)。外が暗くなってからこじんまりした場所で落ち着いて聴くのが似合う音楽、という意味でね。実際、一晃さんも長いこと音楽やってて野外フェスは30年ぶりくらいらしい。一晃さんのキャリアの中で重要な位置を占めるページェントのセルフカバーをするバンドであるため、曲目も「螺鈿幻想」「人形地獄」「ヴェクサシオン」「セルロイドの空」「エピローグ」「奈落の舞踏会」というお馴染みの曲ばかり…と思ったら聴き覚えのない曲もあったけど、新曲ですか?
MCではいつも笑いを取る方向の一晃さん、酒は全く飲めないのでノンアルコールのを飲んでみたら意外にはまったとかいう話もあったけど、今回は常連さんだけじゃなくて浪漫座みたいな音楽は未体験のお客さんも多いことから「プログレって何ぞや?」という話もあった。本来はプログレッシブ=進歩的という意味で、70年代初頭にはまさしくその通りだったこの種の音楽も今となってはレトロなものとなってしまったことや、特殊な楽器を使うこと等の話が。通常のロックバンドにはあまりいないフルート担当の久子さん、毎回いろんなコスプレで楽しませてくれるが、フェルメールやマネ等の海外の名画が多かったのに、今回はなんと「太陽の塔」…これには最初から度肝を抜かれていた。もちろん技量の方も一級品。杏奈さんが弾くキーボードも新型のメロトロンやミニムーグ(一晃さんは「それ、でかムーグやん」言ってたが)という、今の若い人が使うことはまずないだろうと思うようなものばかり。メロトロンもミニムーグも厚見玲衣さんが年代物を使ってるのを何度も耳にしているためにやはり音色がデジタルに感じられるのは仕方ないけど、今の時代には逆に新鮮。彼女はあの難波さんにも認められた腕の持ち主で、最近はいろんなとこでのセッション参加が多く、ちょっと前には元DESTROSEのMina隊長率いるFATE GEARのサポートもやってたのはご存知の方もいると思う。
それにしても一晃さんのギターは少ない音数ながらも一音一音に感情がこもっていて切なくなるほど心に染みるし、これを聴いて「簡単やん」と鼻で笑う若い衆もいそうだが、あの深みを出せるか?作曲家として素晴らしいのはもちろんのこと、ギタリストとしてもその独自のスタイルはもっと認められて良いと思う。
そしてヴォーカルの美香さん、ますます本家の永井博子さん(今の芸名の「大木理紗」になって長いけどやっぱり私はこの方がしっくりくる)の域に近づいてきたようで、特に終盤の「エピローグ」での歌いっぷりや「奈落の舞踏会」でのスキャットはゾクゾクするほどだった。
もちろん浜田さんの太いベース、ろまんさんの確かなドラミングもしっかり土台を支えていたことも忘れてはならない。
そしてヴォーカルの美香さん、ますます本家の永井博子さん(今の芸名の「大木理紗」になって長いけどやっぱり私はこの方がしっくりくる)の域に近づいてきたようで、特に終盤の「エピローグ」での歌いっぷりや「奈落の舞踏会」でのスキャットはゾクゾクするほどだった。
もちろん浜田さんの太いベース、ろまんさんの確かなドラミングもしっかり土台を支えていたことも忘れてはならない。
古いスタイルであってもこれだけ心に響く音楽をやるバンドというのは本当に貴重だ。一見新しそうでも心に響かないものよりそっちの方が良いに決まってる。その点、先程のMUTHAS PRIDEともども改めてその素晴らしさが再認識出来たし、今回初めて聴いた人でも「こんなに魅力的な音楽があるんだ」と感銘して頂けたら嬉しいと思う。
…さて、あとはトリの氏神一番を残すのみとなったんだが、私はこの後もあるからと浪漫座が終わったら会場を後にして京都に向かったのであった。
Gacharic Spin
阪急の烏丸から少し歩いたところにあるKYOTO MUSE、いつもは同じビルの焼肉屋のヘンテコな歌が流れてるから近づいたらすぐわかるのに、今回はそれがなかったから危うく通り過ぎるとこだった。焼肉屋どうなったの?その店に入ったこともないから別にいいんだけど。
会場内に入ったら丁度対バンが終わるところで、本当にうまいことセーフだった。中は溢れんばかりのお客さんで、彼女たちの人気がうなぎ昇りであることを改めて実感。最近はTVにも出演したりして露出も増えてるし、独自の音楽性と高い演奏力、ユニークなステージングが受け入れられているのだろう。
ほどなく開演したが、もう最初の曲から場内の盛り上がりは最高潮。冒頭3曲はオレオレオナ、はな、TOMO-ZOの歌う曲が順番に披露され、それぞれキーボード、ドラム、ギターを演奏しながらなのに歌いっぷりも見事なのはもうわかる人にはわかるはず。お馴染みの曲から近々発売の最新アルバムの曲まで、幅広い選曲でどれも反応は上々。ダンサー2人もいろいろ楽しい仕掛けを用意してて、見てて楽しむことも出来る。
それにしても凄いのはその演奏力だ。リーダーであるFチョッパーKOGAのベースはスラッピングをメインにバキバキと太い音でバンドの芯になってるし、はなのドラムの迫力はまるで重戦車。これ書いていいんかなあ…先程見てきたばかりのろまんさん以上にパワフルじゃないかとさえ思えた。音だけ聴いてたらまるでババちゃんが叩いてるのかと錯覚するほど。それだけ迫力があって手も足も忙しく動かしてるのに、その上に歌うなんてなかなか出来る芸当じゃない。叩きながら歌う「女性」ドラマーというのは彼女以前にもいたけど、両方をあれだけ両立させてる人というのは見たことがない。オレオはキーボードの腕もさることながら、前に出てきて歌ったり踊ったりとマルチなところを見せてくれるし、TOMO-ZOのギターは温かい音色と派手な技を併せ持つという、これまたあまり例を見ないものだ。
それにしても凄いのはその演奏力だ。リーダーであるFチョッパーKOGAのベースはスラッピングをメインにバキバキと太い音でバンドの芯になってるし、はなのドラムの迫力はまるで重戦車。これ書いていいんかなあ…先程見てきたばかりのろまんさん以上にパワフルじゃないかとさえ思えた。音だけ聴いてたらまるでババちゃんが叩いてるのかと錯覚するほど。それだけ迫力があって手も足も忙しく動かしてるのに、その上に歌うなんてなかなか出来る芸当じゃない。叩きながら歌う「女性」ドラマーというのは彼女以前にもいたけど、両方をあれだけ両立させてる人というのは見たことがない。オレオはキーボードの腕もさることながら、前に出てきて歌ったり踊ったりとマルチなところを見せてくれるし、TOMO-ZOのギターは温かい音色と派手な技を併せ持つという、これまたあまり例を見ないものだ。
ツーマンのためアンコールも含めて1時間ちょっとで終わったんだけど、茨木の方でも2バンドとも1時間くらいで、彼女たちも大体そのくらい、まあ私の中ではいいバランスになったと思う。とにかく彼女たちのライブは見る方も体力がいるんです。これがワンマン2時間だったら終わる頃にはクタクタになってたろうし、以前そういうハシゴをしてほんまにそうなってしまったことがあるし。
それにしても彼女たちの音楽というのは本当に個性的で、「こういう音楽」という説明にいつも苦慮する。各自の影響元が、KOGA=PRIMUS、はな=PANTERA、オレオ=DEEP PURPLE、TOMO-ZO=AEROSMITHと見事にバラバラだし、出来上がった音楽はそれらのどれとも全く違う。同期音源も多用しているがまず各自の技量に圧倒されるし、現時点で全員女性のバンドの中ではその演奏力は国内でも最上位ではなかろうか?しかも今年中は(高校生であるダンサー2人を除く)全員20代だし、若さゆえの勢いと常に新しいことにチャレンジしている姿勢が素晴らしい。言葉通りの意味で言えば、まさしく現代のプログレッシブ・ロックと言えるかもしれない。
「新しいことをやってますよ」というポーズだけで心に響かない連中が人気を得てしまっている今の腐った日本の音楽シーンを、彼女たちみたいなバンドがもっと引っかき回してほしいものだ。
「新しいことをやってますよ」というポーズだけで心に響かない連中が人気を得てしまっている今の腐った日本の音楽シーンを、彼女たちみたいなバンドがもっと引っかき回してほしいものだ。
昼に見たベテラン2バンドは深みがあり、Gacharic Spinは非常に斬新。でも3バンドは「強く心に響く」「土台には高い実力がある」という点で共通している。伝統芸とも言える古くからのスタイルを貫くベテランたち、真に新しいことを打ち出してくる若手、こういうバンドたちにもっと注目が集まれば日本の音楽シーンもずっと健全になるのではないかと強く思った。